寒冬

大寒波が町を襲った日の翌日、 雪の薄っすら降り積もる荒れたあぜ道をサクサクと音を鳴らしながら踏み歩き、近所の溜池まで日課の犬の散歩に出かけた。 東西におよそ五百メートル、幅が七八十メートルほどある細長い溜池には食品用のラップフィルムに似た薄い氷が一面に張っていて、その氷上の所々で、風に舞った粉砂糖の…