幼い樹木

「時間を遡ります。」 街灯がすべて消え、漆黒に包まれている渋谷の宮益坂を小走りに登りながら、浦島さんはその計画を話しだした。 「時間を遡り、感染の根源となっている一族のものに先手を打ちます。もはやその方法しか手はありません。一族のものを根絶やしにすることはもちろんそれだけでは不可能ですが、少なくとも…