はじまり

サンライズ出雲で東京に降り立った朝、その薄汚れたホームには浦島さんがただひとり、笑顔で待ち構えていた。 「おかえりなさいと言ったほうが正しいでしょうな、 待ちくたびれましたよ白酒さん、ずいぶんとゆっくりな足での到着じゃありませんか、いやいや失礼、あなたにそんな皮肉を言うつもりではなく、言うなれば私な…