玉造要害山の大天狗(後編)

石段を駆け上がったぼくの前に姿を現したのは朽ち果てた社であった。 神社であることはなんとなく把握できるのだが、どう考えてもいまはもう何も祀られてはいないのではなかろうかという状態で山の頂上に佇んでいる。遠目ではあるが、社の奥の方に何やらあぐらをかいた石像のようなものが見て取れる。ここが天狗の根城だろ…