ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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森の奥に住む鍛冶屋と悪魔の影を描いたゴシックホラー、ポール・アーキホ監督『エレメンタリ(原題:ERREMENTARI)』

スペインはバルセロナ近郊、海辺に広がるリゾート地シッチェスで毎年10月に開催される映画祭がある。

 

シッチェス映画祭(Sitges Festival)の略称でも知られている、シッチェス・カタロニア国際映画祭(Festival Internacional de Cinema Fantàstic de Catalunya)である。

 

本映画祭、基本的にはファンタジー、SF、アニメーション、そしてホラーなどのジャンル映画に特化した映画祭なのだが、そこにとらわれないオールジャンルの映画がノミネートされることでも知られている。

 

過去には、ニール・ジョーダンNeil Jordan)監督『狼の血族』(The Company of Wolves)、スチュアート・ゴードン(Stuart Gordon)監督『ZOMBIO/死霊のしたたり』(Re-Animator)、デヴィッド・リンチ(David Keith Lynch)監督『ブルーベルベット』(Blue Velvet)、ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)監督『ヨーロッパ』(Europa)、レミー・ベルヴォー(Rémy Belvaux)監督『ありふれた事件』(C'est arrivé près de chez vous、Man Bites Dog)、ヴィンチェンゾ・ナタリ(Vincenzo Natali)監督『キューブ』(Cube)などが、グランプリを受賞している。

 

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『ヨーロッパ』とか『ありふれた事件』とか、懐かしいなあ。

 

今回は、その2017年度シッチェス映画祭にてプレミアが行われたホラー作品の話題を取り上げてみたい。

 

ポール・アーキホ(Paul Urkijo Alijo)監督による『エレメンタリ(原題:ERREMENTARI)』という作品である。

 

 

まず公式のポスター・ヴィジュアルからしてなかなかグッと来るが、この『Errementari』というタイトルはバスク語のようで、日本語では「鍛冶屋」という意味合いを持っている。

 

さて、本作品のストーリーラインだが、物語はバスク地方に伝わる民間伝承がベースとなっているようであり、時は19世紀、第一次カルリスタ戦争(Carlistas、Carlist War)が勃発した1833年から10年が経過した時代のアラバという村が舞台となっている。そして、この村外れにある森の奥には、よからぬ噂が囁かれている鍛冶屋が住んでいて、実はその鍛冶屋はある恐ろしい秘密を隠し持っているのだが・・・、というものらしい。

 

ポスターのヴィジュアルからすると、その秘密というのは悪魔に関わったことのようだね。

 

悪魔映画愛好家としては、この時点で涎が垂れだす。悪魔と契約を交わしているのかな?となると、ホラー細分化ジャンルで言うならば、悪魔映画の中でも、悪魔契約映画ということになるだろう。

 

本作品で肝となる鍛冶屋を演じているのは、フリオ・メデム(Julio Medem)監督による『バカス』(Vacas)、コルド・セラ(Koldo Serra)監督による『スパイラル・バイオレンス』(Bosque de sombras、The Backwoods)、トム・ケイリン(Tom Kalin)監督による『美しすぎる母』(Savage Grace)などで知られるカンディド・ウランガ(Kandido Uranga)、そして鍛冶屋の秘密を知ってしまう少女を、ウーマ・ブラカリア(Uma Bracaglia)が演じている。

 

 

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というわけで、本作品のなかなかゴシックな予告編映像が公開されているので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。個人的にはこの予告編にガッツリと心臓を握られたことは言うまでもない。

 

 

 

 

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