ニール・ブロムカンプ監督率いるオーツ・スタジオの最新作『プラエトリア(原題:PRAETORIA)』
実験的なSF短編作品を多数排出しているニール・ブロムカンプ(Neill Blomkamp)監督率いるインディーズ映画制作集団オーツ・スタジオ(Oats Studios)から、新たな短編作品が公開されている。
タイトルは『プラエトリア(原題:Praetoria)』という。
この「Preatoria」という言葉は、どうやらイタリア共和国北西部に位置する「アオスタ」という都市の名前のようであり、「プラエトリア」というのはそのラテン語における名称らしい。
ブロムカンプ監督は以前にも、オーツ・スタジオ制作の短編作品タイトルに特殊な場所の地名を付けている。
それは、シリア騒乱の最中にイスラム過激派組織「ISIL」(アイシル、Islamic State in Iraq and the Levant)に占領され、2014年以降ISILの拠点となっているシリア・アラブ共和国北部の都市「ラッカ(Ar-Raqqah)」である。またこのタイトルには、日本語の「落下」という言葉も含まれていると、監督自身が語っている。
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さらにタイトルに関して少し掘り下げると、ローマ帝国において、皇帝を守るために組織された直属の精鋭部隊を意味する「Praetorian(プラエトリアニ)」なる言葉も存在する。この言葉は今日の日本語で言うところの親衛隊を意味する言葉のようであるが、これは必ずしも国家の正規軍から抜擢された兵員を指すわけではなく、状況によっては政党や個人の私兵として組織された者たちのことを指したり、あるいは不安定な政権下においては、傭兵やテロリストを母体とする組織を指し示す言葉でもあるらしい。
そして、基本的には前述のように、皇帝や君主を狙った暗殺や、あるいは臣下の叛乱に対する抑止力として存在しているプラエトリアニであるが、実際にはその組織自体が暗殺や叛乱の実行要員となった例も歴史には数多いと言われている。
またこの「プラエトリアニ」という言葉には、「腐敗した」とか「金で動く」といったような意味合いも含まれる場合があるらしい。
あっ、そういえば余談だが、来るスター・ウォーズの新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(Star Wars: The Last Jedi)には、スノーク直属の護衛隊としてプレトリアン・ガードあるいはプラエトリアニ・ガードなるものが登場するらしいね。真っ赤な甲冑と薙刀風のハルバートを装備したなかなかカッコよい例のアレである。

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今回の『プラエトリア』という作品に関しては、どうやらこの言葉の裏側にある負の部分が描かれているのではないのかと、個人的には勝手に読み取っている。
というわけで、興味のある方はぜひ本編を御覧いただきたい。
今回公開されている本編は約2分ほどと短いものになっているが、おそらく今後、より長いバージョンあるいは続編が公開されるのではないのかと思う。ブロムカンプ監督は自身のツイッターで『プラエトリア』におけるビーグルのコンセプトアートを公開しているのでね。
One of our favourite vehicles from Praetoria pic.twitter.com/3rtqgNz2mf
— Neill Blomkamp (@NeillBlomkamp) 2017年11月4日
では、本編をどうぞ、タイトルや作品に込められた意味合いも然ることながら、CG表現も見所であるよ。
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月白貉 - Mujina Tsukishiro