夢に現れる謎の男"ディス・マン(THIS MAN)"とは誰なのか?ダリー・アウ監督『ザ・マン・イン・マイ・ドリームス(原題:THE MAN IN MY DREAMS)』
「ディス・マン」(This Man)と呼ばれる謎の男の存在をご存じの方は多いと思う。
2006年、米国ニューヨークで、とある精神病院に通っていた女性患者が、「自分の夢の中に奇妙な同じ男が繰り返し出てくる」と、担当の精神科医に訴えた。ちなみにその女性患者は、夢に登場する奇妙な男は、現実世界で面識のある人物ではないと言ったそうだが、その男はなぜか夢の中で、彼女の私生活についてのアドバイスを語ってくれるというのである。
精神科医は念のため、彼女の話からその奇妙な男の似顔絵を描き、自分のデスクに置いたままにしておいたそうなのだが、数日後に病院を訪れたまた別の男性患者がその似顔絵を目にして、「私の夢の中にこの絵に描かれている奇妙な男が出てきたことがある!」と訴えたのである。
image source: DOWNLOAD – EVER DREAM THIS MAN?
この偶然の一致に疑問をおぼえたその精神科医は、同様の夢にまつわる患者を診察している一部の同僚にその似顔絵を送ることにした。すると、同じく4人の患者が、その奇妙な男を夢の中で見たことがあると訴えたというのである。
そしてその後現在に至るまでに、世界中で約2000人以上の人々が、この奇妙な男を夢の中で見たことがあると主張しているようで、以降、この男は「ディス・マン」(This Man)、つまり「この男」と呼ばれるようになったという。
この男に関しては、「夢を操作している組織説」や「アメリカ軍の陰謀説」など、都市伝説まがいの様々な噂が飛び交っているのだが、その有力な説として、イタリアのバイラル・マーケティングの専門家であるアンドレア・ナテラ(Andrea Natella)が、インターネット上のデマがどのように拡散するのかを実験調査するために流した嘘の情報だったというものがある。
前述の精神科医が調査のために立ち上げたと言われている「ディス・マン」の公式サイトも存在するのだが、このサイト自体もアンドレア・ナテラの手によるものだと言われている。興味のある方は、コチラの公式サイトを御覧いただきたい。
さて、この不気味な話をテーマに制作された短編作品が存在する。
フィリピンのメトロ・マニラ(Metro Manila)内にある都市ケソン(Quezon City)を拠点とするダリー・アウ(Dary Ow)監督による『ザ・マン・イン・マイ・ドリームス(原題:The Man in my Dreams)』である。
物語に関しては、もちろん前述の「ディス・マン」に絡んだものなので、詳細は本編に委ねたい。
ちなみに主演は、監督の恋人でもあるサイリーン・ジョイス・ローレンテ(Cyrene Joyce Laurente)。
そして当然登場する奇妙な男役を、ジョエル・ガルシア(Joel Garcia)が演じている。
というわけで、「自分の夢にもこの男が出てきたよ!」という方はもちろん、まだ夢でこの男を見かけたことがない人も、本編をぜひご覧いただきたい。
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