超自然的なねじれを伴うファミリードラマ、バラン・ボー・オダー監督によるNETFLIXオリジナル作品『ダーク』
以前当ウェブログでも取り上げたことがあるのだが、NETFLIX初となるドイツ製作の連続ドラマシリーズとして注目を集めている『ダーク』(Dark)の話題に再び触れてみたい。
本作品で原案そして制作を担うのは、『ピエロがお前を嘲笑う』(Who Am I、Kein System ist sicher)や『23年の沈黙』(Das letzte Schweigen)などで知られるスイスの映画監督バラン・ボー・オダー(Baran bo Odar)である。
NETFLIX公式によるあらすじは、以下のようなものとなっている。
ドイツの小さな町で起こった子供の失踪事件をきっかけに、ほころび始める家族の絆と暴かれる暗い秘密。運命に翻弄され続ける4家族の苦しみに終わりはあるのか。
また本作品は、「超自然的なねじれを伴う“ファミリードラマ”」だということであり、つまりわかりやすく言えば、ドイツ版ホラー・サザエさん的なものかもしれない。
個人的には昨今テレビを一切観なくなってしまったので、「日曜日の憂鬱」とも称されている大衆的テレビアニメ『サザエさん』はもう随分久しく観ていない。かつては確か日曜日と火曜日の週二回に渡り放送されていた記憶があるが、なぜか日曜日と火曜日では磯野家の隣人が異なっているというパラレルワールド的超常現象が浮き彫りになっていた。
一般的には、火曜日はメインである日曜日の単なる再放送版であり、火曜日の隣人である画家の浜さんは妻の持病が悪化したため伊豆へ引っ越し、その後空き家になった家に作家の伊佐坂先生の家族が引っ越してきているのだと説明されている。しかし、実際にはそこに忌まわしき暗い家族の秘密が隠されていると噂されている。
酒を飲んで午前様となって帰宅した波平が隣家の庭から響く悲鳴にも似た叫び声を聞いたり、同じく午前様となって帰宅したマスオが伊佐坂家の玄関から半裸で飛び出し闇に消えてゆく血だらけの浜さんを目撃するなどといった怪奇現象が、日曜日版で起きているとかいないとか囁かれている。
伊佐坂先生の妻として名を轟かせるおかるさんが、塀越しのフネに怪しげな白い粉や、アフリカの民芸品のような怪しげな人形を手渡しているのを、タラちゃんが度々目撃しいるという話もあったりなかったりする。
ところで、かつて実家には長谷川町子の原作がほぼ全巻揃っていたが、見方によってはなかなかサイコ感満載な漫画でもある。
まあ『サザエさん』はさておき、本作品に関して一部では「ドイツ版ストレンジャー・シングス(Stranger Things)か!?」とも言われているらしい。
THAT'S A WRAP! After 151 shooting days, 6 months of shooting, endless locations and endless rain season 1 of DARK is done! Now sleep! pic.twitter.com/SnbahiDP8j
— Baran bo Odar (@baranboodar) 2017年4月8日
そんな『ダーク』の最新ティザー映像がお目見えしたので、最後に取り上げておく。興味のある方はぜひご覧いただきたい。配信は2017年12月1日からとのことである。
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