ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ヴァレンタインはまだだけど、寒い日の2018年チョコレートの旅日記。

朝起きるともう午前十時を過ぎていて、それから遅めの朝食をとる。 

 

残り物のコロッケ、出汁をとった煮干しの佃煮、キュウリのぬか漬け、ワカメと大根の味噌汁、海苔、白米。

 

朝食後、久しぶりに覗いた太陽と、強風に流される雲と、青く淡い空をぼんやりと長い時間眺める。吐く息の白い部屋の中で浴びる太陽の光がやけに心地よい。

 

しばらくしてから、普段はあまり飲まないコーヒーをたっぷり飲み、やはり普段はあまり食べないケーキを食べる。近所のパティスリーで買ったチョコレートとアプリコットの上品なケーキ、本当は昨日のデザートにと思っていたのだが、結局食べずに眠りについてしまったから。

 

それからしばらくまた太陽に身を寄せ、グロテスクな変温動物のように体をあたためる。

 

寝室の掃除を軽く終えた後に、羽毛布団をかぶって古いSF映画を鑑賞する。

 

スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』、この映画を観返したのは何年ぶりだろうか。

 

劇中に登場する様々な宇宙食を見ていて、今日の夕飯はあんな風な宇宙食にしたいと、ぼんやり考える。特に木星探査機の宇宙食はやけにうまそうなのだ。

 

映画を観終えるともう夕暮れ時、ひとりの女の子がやって来て、ぼくの家に茶色い紙袋を置いて、帰っていった。

 

中には午前中に食べたケーキと同じパティスリーのチョコレートと、短いメッセージカードが入っていた。

 

ヴァレンタインはまだだけど。チョコレート。おいしいのだと思う。また会いに来ます。

 

メッセージカードには、蜻蛉と蝶と、溶けた猫みたいな奇妙なイラストが描かれていた。

 

その後夕食の支度を始める。

 

鶏ミンチとキャベツのメキシカンなトマト煮込み、大根と鶏ミンチの煮物、キュウリとトマトのサラダにヨーグルトソース、朝も食べた残り物のコロッケ、バゲット

 

煮込みや煮物は明日も明後日も食べる羽目になるだろう。

 

支度を終えるともう午後七時、ウェブログを更新していないことを思い出し、映画の話題に触れようと思うが、やはり日記だけ書いて終わりにしようと思う。

 

本当はトム・サヴィーニとロメロの娘のティナが監督を担う古典的な趣の新作映画を取り上げようと思ったが、今日はもういいや。

 

熱いシャワーを浴びて、今日二本目の映画を観ながら、安い白ワインを発泡酒で割って、ごくごく飲みながら、ゆっくり夜を過ごそう。

 

何を観ようかな。

 

寒い日には、寒い場所が描かれた映画がよく合う。

 

ジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』かな。

 

チョコレートは、眠る前に。

 

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月白貉