ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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唐茄子と透け乳首と無修正と、そしてプレイボーイを愛好する老紳士とぼく日記。

今日の朝ごはんは、卵焼き大根おろし添えと、ぬか漬けと朝鮮漬けと、唐茄子の味噌汁と白米、あとバナナヨーグルト。

 

実家ではカボチャのことを唐茄子と呼んでいたので、いまでもぼくはカボチャのことを唐茄子と呼んでしまう。唐茄子の味噌汁とか唐茄子の煮物とか唐茄子の天ぷらとか。

 

しかし唐茄子というものはご存知のように甘い。ぼくは子供の頃、あの甘い部分がごはんのおかずとして受け入れ難かった。

 

「お菓子じゃん!」と感じていた。

 

だから、天ぷらとか単品の煮物はまだ百歩譲れるのだが、唐茄子の味噌汁というものが嫌いだった。「味噌汁に甘いの入ってるじゃん!」という理由である。

 

しかし大人になった今、唐茄子の味噌汁というのは味噌汁の中でも好き部類である。少し濃い目の出汁を取って作った唐茄子の味噌汁は格別に美味しいと感じる。最後に小ねぎなど散らすとさらに味わいが増す。

 

ところで今日は、いろいろあって心が潰れそうになり、その潰れそうな心を抱えて傘もささずに雨の中をさまよったりしてビショビショになり、白いシャツが透けて乳首を露出させながら家まで戻ってきたら、もう夕方だった。

 

生きているといろんなことがある。雨に濡れたシャツが透けて乳首が露出することもあれば、濡れなくても乳首が透けてしまうシャツもある。

 

日本では、街中で衣服の下の乳首が透けている女性はあまり見かけないが、西洋では割と普通に透けている、あるいは輪郭がはっきり出ているのをよく見かける。つまりその理由はブラジャーを着けていないケースが多いのだと思う。ぼくもブラジャーを着けないのだが、詳しいことはよく知らない。ただアメリカ映画などを観ていても、女性登場人物の九割ほどの乳首が透けている。

 

個人的には乳首透けフェチではないので、それに対して圧倒的に興奮するわけではなく、反対に映画などで見慣れているので、そういう文化なのだろうなあと思っている分、あまりいやらしいとは感じない。アフリカの部族などでも、女性が全裸に近い姿で、胸などもほぼ全て露出している光景を映像でよく見かけるが、あれもとくに違和感やエロ感は希薄である。

 

反対に昨今の日本のテレビなどは、子供たちの胸や性器にまで執拗にモザイク処理を施している映像を見かけることがあるが、あっちのほうが圧倒的に違和感があり、ちょっとゾッとする。

 

昔、輸入専門の映画ソフトの店で働いている時、すごく売れ筋だった商品の中に、大島渚の『愛のコリーダ』があった。もちろん海外で売られている無修正版である。日本盤の性的シーンの修正がどの程度なのかをぼくは知らないのだが、その輸入盤が売れている理由は無修正という部分だった。ある日、やはりその輸入盤を買っていったおじさんが、こんなことを言っていた。

 

「日本のやつはさあ、見えてねえんだよ。隠してあるんだよ。おかしいだろ?こんなもんさあ、みんな誰だって見たことあるものが映ってんだから、隠す必要なんかねえんだよ。隠してる方がなんだか気持ち悪いよ。」

 

確かにアメリカなどでは、映画の性的シーンにモザイク処理などは施されていない。映画だけでなく、その手の大人の映像ソフトにもモザイク処理は一切施されていないと思う。もしかしたら州によって違うのかもしれないけれど、それは定かではない。ちなみに無修正の海外のその手の映像ソフトは当時輸入が制限されていたので(現在は知らないが)、なおかつぼくの働いていた店は基本的に映画専門だったので、そういうソフトは取扱ていなかったが、プレイボーイは少しだけ取り扱っていた。

 

そのプレイボーイだけを買いに来るすごく紳士的などこぞの大企業の会長みたいなおじいさんがいて、ぼくはその人のことがすごく好きだった。いつもすごく高そうなスーツを着て、帽子をかぶった運転手らしき人物を引き連れて、高級なワインでも買いに来るようにして、プレイボーイの映像ソフトを買いに来るのだ。しかも自分が持っていない種類のものはすべて買ってゆくのである。あの老紳士は一体誰だったのだろうかと、今でも時々思い出す。

 

というわけで、潰れそうな心を癒やすがごとくしてあてどなく綴った今日の日記は、このへんで幕を閉じよう。

 

もしぼくと同じように、いま心が潰れそうになりながらこれを読んでいる人がいれば、その人にわずかばかりのエールを送ろう。

 

今宵は荒れ狂う嵐なれど、静かで心安らぐ、素敵な夜を。

 

唐茄子と透け乳首と無修正と、そしてプレイボーイを愛好する老紳士とぼく日記。

 

 

 

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月白貉