ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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思い立ったが吉日ハーフマラソンと、人生フルマラソンの秘密日記。

フルマラソンもハーフマラソンも正式には走ったことがないけれど、一日最高で50キロくらいは歩いたことがある。

 

真夏の暑さ最高潮の日にとある湖を一周歩いて死にそうになったのが、確か一昨年の夏だった気がする。その湖は一周がおよそ50キロ弱くらいだと聞いた。ただ一部湖の周囲を歩けないので、ずいぶん大回りしなければならないのが非常にしんどい行程だった。

 

今年、もう一度その湖を反対周りで歩きたいなあと思っているのだが、この頃あまり運動をしていないので、筋力とか体力とか、あるいは精神力とかずいぶん落ちているような気がする。

 

歩けるのかなあ、と不安に思った。

 

というわけで今日、軽めの予行演習として、ふと思い立って勝手に「ひとりハーフマラソン」を開催しようと決め、だいたい往復で20キロ強の目的地を定めて走り出した。

 

思い立ったが吉日という言葉は、ぼく向きな言葉である。

 

そうやって無計画に走りだして、しかし途中で、脇道の景観があまりにも面白そうだったのでついついそっちに入ってしまって道に迷い、寄り道もしたおかげで辿り着いた見知らぬ海辺の町ですでに走行距離が18キロを超えていた・・・。

 

そこは、古き良き町並みを残すなかなか素敵な景観の集落だった。そして、海の色が異常に綺麗だった。

 

勢い余って海に飛び込みはしなかったが、指先で海水に触れると生温かかった。

 

もう夏の終わりだった。

 

その後、近くにあった交番で帰りの最短ルートを尋ねると、「どこから来たんですか?」と問われたので、「どこそこから、ここまで走ってきました。」と言うと、「えっ!」と若い警官に大いに絶叫された。

 

結局、教えてもらった行程をボチボチ帰宅して距離を調べると、総距離32キロ・・・、帰りはバテて歩いたりしたので5時間くらいかかった。

 

まあとんでもなく疲れたは疲れたが、予行演習を踏まえて、湖一周の再挑戦、今の体力ならいけそうな予感がする。まだまだいける予感がする。

 

ただし湖一周は景色が単調だということ、それって精神的に辛いのである。

 

今日みたいに、山あり谷ありのほうが、気が紛れるぶん、道程はずいぶん楽なのだ。

 

それってさ、たぶん生きていくのと同じだよね。

 

山あり谷ありのほうが、実はね、本当はね、ずいぶん楽なのかもしれないよ。

 

きょうはビールが美味かった。

 

たぶん日に30キロ以上歩いたり走ったりしないと、ビールは美味くない。

 

それが今この刹那の、ぼくの流儀である。

 

もしビールを美味しく飲みたかったら、少なくとも日に20キロは、歩けよ、紳士淑女。

 

勝手なハーフマラソンと、人生フルマラソンの秘密日記。

 

 

 

 

月白貉