ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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午前中も午後も夏、大掃除あるいはカビチャタテゲリラ日記。

第三次カビチャタテムシ戦争。

 

戦争が勃発するのは往々にして日曜日だと唱えたのはプラトンだったかどうかは忘れたが、梅雨時期に端を発するカビチャタテムシ戦争も遂に佳境に入ってきた。

 

ただそういう時期に限って他の戦争が勃発しがちである。

 

朝起きて、普段目を向けない場所を覗いてみると、しばらく使っていなかった羽毛布団と、毎日使っている脚付きマットレスの最下層がトマトジュースを吹きかけたような赤カビに覆われており、もうこの世の終わりかと思って跪いて涙をながした。

 

しかしいくら涙を流したところで赤カビは流れ落ちてくれないので、まずは毎日使っている脚付きマットレス攻略に挑んだ。

 

世に言う「赤いマットレス戦争」勃発である。

 

幸いなことに今使っている脚付きマットレスは、最下層が剥ぎ取れる仕様になっており、それを剥ぎ取ってぶち洗ってしまうことにした。しかし、大きすぎて洗濯機には到底入らないので、浴槽を使って一気にザブリザブリとぶち洗った。あまりの激しさに何度も浴槽に落っこちて溺れかけるくらいの激しい戦いだったが、今ベランダに垂れ下がっているマットレス最下層部は、もはや生まれたてのホワイトイエティかと思うくらいの、白よりもなお白い、白である。

 

夏の暑い日は洗濯に限る。

 

日本では年末に大掃除などと称して、盛大な乱痴気掃除イベントが執り行われるが、大掃除は夏に限ることを今日知った。

 

窓の外に垂れ下がる死体の群れのような洗濯物と、生まれたての巨大なホワイトイエティの赤子が熱風に揺れている様は、なんとも夏らしい光景である。

 

しかし今日はカビチャタテムシ戦争を終結させることは出来なかった。

 

そしていま床に直に座ってこれを書いている最中、床の上を一匹のチャタテゲリラが通り過ぎたので、右手の人差指で捻り潰した。

 

家の中にはまだまだチャタテムシが潜伏しているようだ・・・

 

フ◯ック!

 

飽くなき戦いは続く。

 

疲れ果てての夕ご飯は、ソーメンと餃子と、キュウリとバナナのサラダという多国籍ファンタスティック、ビールがうまいであろう。

 

しかし厳密にはビールではなく、キャロル・リードフィルム・ノワールばりに、第三の麦酒である。

 

第三でも第四でも、刹那が満たされればそれでよいこともある。概念にばかりとらわれるなかれ。

 

午前中も午後も夏、大掃除あるいはカビチャタテゲリラ日記。

 

 

 

 

月白貉