ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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『ブレードランナー 2049』の予告編に、『プロメテウス』の“エンジニア”が登場している。

リドリー・スコット(Sir Ridley Scott)監督によるSF映画の金字塔『ブレードランナー』(Blade Runner)の続編、2017年10月27日の日本公開が予定されている、ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)監督最新作『ブレードランナー 2049』(Blade Runner 2049)の最新予告編が公開され、現在世界中で話題沸騰中である。

 

本作品の予告編の話題はこのウェブログでも何度か触れているのだが、その映像の中でひとつ気になることがあるので、今回はその話題に触れてみたい。ちなみに先に言っておくと、続編の内容が云々という話ではないので、あしからず。

 

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先日公開された最新の予告編に関しては以下の記事をお読みいただきたいが、公式の動画自体も取り上げておくので、もしまだ未鑑賞の方はぜひどうぞ。

 

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さて、気になっている部分とは、この予告編映像の中の14秒から18秒あたりのシーンである。

 

ライアン・ゴズリング(Ryan Thomas Gosling)が演じる主人公の新任ブレードランナーLAPD(ロサンゼルス市警察)の捜査官Kが、タイレル社(Tyrell Corporation)の中を歩いているシーンが映し出されているのだが、その通路の階段の両脇に透明なケースに入った人体標本らしきものが飾られている。随分特徴的なシーンのため、気になった方は多いと思う。

 

Blade Runner 2049

image source : BLADE RUNNER 2049 - Official Trailer

 

物語の筋から順当に考えると、飾られているのは“レプリカント”のプロトタイプ的なものだろうという話になる。ちなみに前作である『ブレードランナー』をまだ未鑑賞の方のために簡単な補足をすると、レプリカントとは遺伝子工学によって開発された人造人間、つまりアンドロイドであり、タイレル社というのはその開発元である。詳しくは本編を御覧いただきたい。

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

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しかし、ここである疑問が持ち上がる。この人体標本のひとつ、向かって右側の一番手前の個体に関しては特に、別の映画で見たことあるやつだよね?

 

Blade Runner 2049

image source : BLADE RUNNER 2049 - Official Trailer

 

勘のいい方はすでにお気付きだろう。現在同じく話題を集めている、リドリー・スコット監督による『エイリアン』フランチャイズ最新作、『エイリアン:コヴェナント』(Alien: Covenant)と、その前作にあたる『プロメテウス』(Prometheus)に登場する例の地球外知的生命体でしょ、という話である。

 

つまり予告編映像の中でタイレル社に置かれているのは、あの“エンジニア”なのではないだろうか。

 

プロメテウス/ エンジニア スタチュー

プロメテウス/ エンジニア スタチュー

 

 

ブレードランナー2049』の舞台となっているのはタイトルの通り2049年、一方『プロメテウス』の舞台は、冒頭の地球でのシーンでは2089年、そしてプロメテウス号がLV-223に到着するのが2093年だとされている。つまり2049年時点では、エンジニアという存在は知られていないということになるかもしれないし、そもそも『ブレードランナー』と『エイリアン』は同軸の世界なのか?という問題も浮上してくる。

 

後者の点に関しては、このふたつの作品が同じ世界を舞台に描かれているという小さな証拠が存在する。以下にわかりやすくまとめられた動画を取り上げておくので気になる方はご覧いただきたい。

 

 

ではその時代の前後関係であるが、『プロメテウス』でエンジニアに遭遇するのは『エイリアン』シリーズに登場するウェイランド・ユタニ社(Weyland-Yutani Corporation)のプロジェクトチーム、簡単な概要を述べると、我々人類を創造したのはこのエンジニアなのではないのかという物語である。

 

ただし、このふたつの企業の関係性はどちらの物語の中でもぼくが知る限りでは描かれていない。上記の動画にもあるように作品内の世界観の設定から推測する限りは同軸の世界であり宇宙であるということにすぎない。どちらもリドリー・スコットが関わっているSF映画なので、世界観が似通っているのは当然といえば当然である。

 

単純な話をすればイースターエッグのお遊びでしょ、とも言えるが、物語ベースで考察してみると、レプリカント開発のために人類の遺伝子を研究していた開発チームが、人類の遺伝子の中に隠されている創造主たるエンジニアの秘密にたどり着き、研究の成果物としてエンジニアと同様のヒューマノイド復元に至ったのではないのかと考えられなくもない。そこにはやはりふたつの作品を結びつける糸が存在する。そして現実的な話として、タイレル社とウェイランド・ユタニ社は別企業のため、このエンジニアの件に関してはおそらく社外秘である。つまりそれぞれの企業が独自にエンジニアという存在にたどり着いてはいるが、タイレル社のほうが一足早かったのである。そして、やはりタイレル社に飾られているのはエンジニアだよねというのが、勝手な考察である。

 

ただし、タイレル社にあるのは遺伝子を元にした復元品だが、ウェイランド・ユタニ社は“生”のエンジニアと遭遇しているので、そっちのほうが価値は高いだろうね。いわゆる養殖モノと天然モノの違いである。

 

というわけで、最後に懐かしい『プロメテウス』の初公開予告編をご覧頂いて、最新作の『エイリアン:コヴェナント』と『ブレードランナー 2049』に想いを馳せよう。ちなみに『エイリアン:コヴェナント』の日本公開は2017年9月15日、でも米国では5月19日ともう目と鼻の先である。

 

 

 

 

 

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月白貉 - Mujina Tsukishiro