ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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英国コーンウォールに出没する“オウルマン”伝説を織り込んだホラー・ノワール、ローリー・ブルースター監督作品『Lord of Tears』と『The Black Gloves』。

オウルマン(Owlman)というものをご存知だろうか?

 

ちなみにアメコミに登場するキャラクターにも同名の人物が存在するが、今回話題に取り上げるオウルマンは、それとはまた別の話。

 

英国のコーンウォール(Cornwall)にあるマウナン(Mawnan)という地域において、1970年代後半に、巨大なフクロウのような姿をした謎の生き物が頻繁に目撃されたと言われている。

 

その姿から付けられた名前が“オウルマン”、つまりフクロウ男である。

 

事の起こりは1976年4月17日、ジューン・メリング(June Melling)とヴィッキー・メリング(Vicky Melling)の姉妹が、教会の塔の上空を飛ぶ大きな羽を持つ生き物を目撃したことに端を発する。

 

彼女たちの話によれば、その生き物は人間ほどの大きさをした巨大なフクロウのような姿で、尖った耳と真っ赤で大きな目を持ち、脚には蟹のハサミに似たかぎ爪があったそうである。

 

また同年の7月3日にも、別の14歳の少女たちによって同様の生き物が目撃されており、彼女たちの話も前述のオウルマンの特徴とほぼ同様であったという。そしてその後も、1978年、1979年、1989年、1995年にやはり同じ教会の近くで、このオウルマンが目撃されたという話がある。ただ目撃者の顕著な特徴として、そのほとんどが十代前後の少女であるということ、また目撃者の少女たちはいずれも、最初の目撃者であるメリング姉妹の語ったオウルマンの特徴を事前に知識として聞き知っていたということが挙げられている。その為、最初の目撃者であるメリング姉妹は別としても、以降の目撃談に関してはメリング姉妹の語った話に影響を受けた嘘の話か、あるいは意識的な嘘ではなくともその年代の少女たちが抱きがちな妄想による虚構の記憶なのではないのかとも言われているそうである。

 

ただこのオウルマン、目撃の頻発した1970年代の後半以降は、数件を除けばほとんど目撃されていないという。最近の噂だと、2000年に何らかの目撃情報が寄せられているという話もあるらしいが、詳細に関しては定かではない。

 

そして、このオウルマンとよく比較されるのが、米国における“モスマン”(Mothman)という存在であるが、いずれにせよどちらも謎のベールに包まれていることに変わりはない。ちなみにモスマンに関しては以下の記事に詳しいので、興味のある方はぜひお読みいただきたい。

 

関連記事最新「モスマン」情報、ポイント・プレザントの2号線で蛾人間が目撃される。

 

さて、今回取り上げるのは、このオウルマンをテーマとするホラー映画の話題。

 

スコットランドの映画監督ローリー・ブルースター(Lawrie Brewster)による2013年の作品『Lord of Tears』、そして同監督の最新作、2017年の秋に公開を予定しているという『The Black Gloves』という作品である。

 

前者の主人公は学校の教師、そして後者は心理学者を主人公とした物語であるが、どちらの作品にもオウルマンの怪しげな伝説が不気味に織り込まれている。

 

Owlman

image source : Hex Media

 

両作品ともに予告編が公開されているのでそちらは後ほど取り上げるが、予告編を観る限りでは、なんとなく“スレンダーマン”伝説のような雰囲気も漂わせていると感じる。

 

関連記事恐怖のスレンダーマンはあなたの側にも、本当は恐いドキュメンタリー映画『BEWARE THE SLENDERMAN』。

 

さて予告編にゆく前にひとつ、『Lord of Tears』のプロモーションとしておもしろい試みがなされているので、その話題を少しはさみたいと思う。

 

スコットランドのカーコーディ近郊にある廃墟マニアにはお馴染みのスポット、今では廃墟と化した聖メアリー子供病院(St. Mary’s Children Hospital)にて、廃墟内の写真撮影にやって来た輩をターゲットにしたオウルマン“ドッキリ”が敢行されたのである。

 

つまり廃墟の中の物陰に、作品に登場するオウルマンが隠れ潜んでいて、それを知らずにやって来た訪問者たちを手厚く歓迎するというものである。その映像が公開されているので、興味のある方はまずそちらからご覧いただきたい。

 

 

ぼく自身もプチ廃墟愛好家で、これまでにもいくつかの廃墟を訪れたことがあるが、廃墟というのはそれ自体がすでに何か不気味な雰囲気を醸し出しているため、もしそんな場所で映像のようなオウルマンに出くわしたら、いろいろな意味で相当怖ろしいに違いない・・・。

 

とまあそんな話もありつつ、最後に前述のオウルマンをテーマにした2作品の予告編を、ぜひご覧いただきたい。ホラー映画と一口に言っても様々であるが、この作品に関しては、ホラー・ノワールとでも呼ぶべき趣を持つものになっているよ。

 

 

 

 

 

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