ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ソーシャルメディアで自分の犯罪行為を放送する孤独な女性、ロバート・モックラー監督の『LIKE ME』。

インターネットというものが多くの人々の生活の一部となって久しいが、昨今では、ある人々にとっては一部ではなく“すべて”になりつつあるといっても過言ではないかもしれない。

 

もちろんこうやってウェブログを書いているぼくにしても、すべてではないにせよ、なかなかどっぷりとインターネットに浸かっていることに変わりはない。

 

ただそこに自分の存在意義だったり、居場所だったり、あるいは自分自身までをも見出してしまって、現実世界との関わり方を見失ってしまうところまでは及んでいないし、そういう部分では極力距離を置くようにはしているから、どう転んでもそうはならないだろうと高を括ってはいるが、果たして・・・。

 

ちなみに少し前までは、個人の表現あるいは居場所としてFacebookなどのソーシャルメディアを大いに活用していたが、ある時期にそのことに疑問を感じ、現在でもツールとして使ってはいるが、そこを自分の居場所のひとつとすることはやめることにした。そしてそういうことをやめてみて周囲を客観的に見ていると、知らず知らずのうちにソーシャルメディアと現実世界との区別がつかなくなっている人々が山ほどいるなあと感じるに至ったのである。つまり本来の“友達”とか“コミュニケーション”とか、あるいはマナーとか倫理観とかいったものがねじ曲がってしまっているのではないのかということである。

 

その先に待ち受けているものは、楽園などと呼べるような世界とは似ても似つかない、暗い暗黒の世界なのではないのかと、個人的には感じている。

 

というわけで、今回はちょっとそんな方向性に関係のありそうな作品を取り上げてみたい。

 

ロバート・モックラー(Robert Mockler)監督による『Like Me』という作品である。

 

物語は、人とのつながりに絶望感を抱いた孤独な主人公キーヤが、インターネット上のソーシャルメディアで、自らの犯罪行為を撮影した映像を公開し始めるというものらしい。

 

Like Me

image source : Like Me

 

たしか実際にそういったケースの事件が、昨今でもいくつか報道されていたような気がするが・・・。

 

というわけで、本作品は現在開催中のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)で初演を迎えたようなのだが、それに伴い予告編も公開されているので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

なにやらドリーミーでドラッキーな美しい映像ではあるが、深い闇の片鱗が垣間見られる予告編となっている。

 

インターネットやらソーシャルメディアは控えめにね、と自分自身にもよく言い聞かせなくちゃだな・・・。

 

では、どうぞ。

 

 

 

 

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月白貉