ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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シャーリーズ・セロンが戦ってキスして殺す、超クールなスパイ映画『Atomic Blonde』(アトミック・ブロンド)。

スパイというものにけっこう憧れがある。

 

まあぼくが知っているのは映画の中のスパイ像であり、実際のところについてはほぼ何もしらない、たぶん半端ない仕事だとは思うけれどね。

 

時々、英国の新聞求人欄には英国諜報部員の求人が出ることがあると聞いたことがある。それが実際の求人情報なのか、現役の諜報部員に向けたなにかのメッセージやら暗号やらなのかは知らないけれど、世の中には、普通に生活しているだけではあまり触れることのない世界が薄皮一枚隣にあったりするからちょっとおもしろい。

 

昔どこかで聞いた話に、スパイに採用されるための重要な基準のひとつとして、無国籍的な、あるいは多国籍的な容姿の持ち主であること、というのがあった。つまり、西洋にでも東洋にでも、どこの国にでもいるような人の顔をしているということだろう。

 

ちなみにぼくが大学の時に、池袋の路上で毎日必ずシルバーアクセサリーを売っているどこの国の人なのかわからない外国人がいたのだが、当時同級生だったスパイ情報に詳しい山田くん(仮名)が、「あれはモサド工作員だよ。」と真顔で教えてくれた。その当時は「はっ?」と思ってバカにしていたが、今思えば池袋でモサドが諜報活動を繰り広げていてもなんらおかしくはないなあと、そう思う。

 

さて無駄なスパイ話が過ぎたので本題に移ろう。

 

今回取り上げるのは、シャーリーズ・セロン(Charlize Theron)主演、そしてデヴィッド・リーチ(David Leitch)監督によるクールなスパイアクション映画、『Atomic Blonde』(アトミック・ブロンド)である。

 

Atomic Blonde

image source : https://www.facebook.com/AtomicBlondeMovie/

 

本作品は、アントニー・ジョンストン(Antony Johnston)のグラフィックノベル『The Coldest City』(ザ・コールデスト・シティ)をベースに製作されたスパイ映画であり、シャーリーズ・セロンが演じるのは、英国の諜報機関MI6の敏腕スパイであるロレイン・ブラフトンという役柄、そして物語の舞台は、東西の壁崩壊直前のベルリンだということである。

 

MI6の映画と聞くと、例のジェームズ・ボンドJames Bond)のイメージが強いが、まあ機関内にもいろいろな業務をこなす人々がいるのであろう、よく知らないけれど。

 

シャーリーズ・セロンと言えば、最近ではリドリー・スコット(Sir Ridley Scott)の『プロメテウス』(Prometheus)とか、ジョージ・ミラー(George Miller)の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(Mad Max: Fury Road)とかでなかなか重要なキャラクターを演じていたことが印象深い。ただ個人的にはつい最近ラッセ・ハルストレム(Lasse Hallström)の『サイダーハウス・ルール』(The Cider House Rules)を観たので、そちらのほうが頭に残っているけれどね。ちなみに最近まで知らなかったけれど、彼女は南アフリカ共和国出身だそうである。

 

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さて本作品で注目するのは主演のシャーリーズ・セロンだけではなく、個人的には脇役が非常に気になっている。

 

ジョン・グッドマン(John Goodman)とトビー・ジョーンズToby Jones)である。

 

ジョン・グッドマンは今話題となっている『キングコング: 髑髏島の巨神』(Kong: Skull Island)でも活躍しているが、つい最近だと『10 クローバーフィールド・レーン』(10 Cloverfield Lane)での怪演が記憶に新しい。彼は同作品におけるインタビューで、「あの演技はほぼ普段の自分だよ」的なことを言っていたように記憶しているが、確かに様々な役柄の際に時折見せる不気味な笑顔は、彼が本質的に自らの中に持ち得る狂気的な側面なのかもしれない。ちなみにぼくが個人的に印象深い役柄と言えばもちろん、フランク・マーシャル(Frank Marshal)の『アラクノフォビア』(Arachnophobia)における害虫駆除業者のデルバート・マクリントック役である。

 

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さて一方トビー・ジョーンズであるが、やはりフランク・ダラボン(Frank Darabont)の『ミスト』(The Mist)で演じていたオリー・ウィークスという名のスーパーマーケットの店長役が頭にこびりついているが、確かミカエル・ハフストローム(Mikael Hafstrom)の『ザ・ライト -エクソシストの真実-』(The Rite)の中で神父の役をやっていたような気がする。

 

ミスト Blu-ray

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ザ・ライト エクソシストの真実 [Blu-ray]

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とまあそんなわけで、長くなったので監督のことに触れるのはまた別の機会に譲るが、本作品のなかなかクールな予告編が公開されたので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。デヴィッド・リーチは『ジョン・ウィック』(John Wick)でチャド・スタエルスキー(Chad Stahelski)の共同監督も務めていたようなので、なるほどな、という雰囲気の作品だと伺える。

 

では、どうぞ。

 

 

 

 

JOHN WICK 海外版

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PROMETHEUS

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月白貉