ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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横暴な睡魔の勧誘員は、殺虫剤を入れた牛乳で撃退する日記。

あさごはん、牛乳とバナナ。バナナってキリンっぽい。

 

鼻水は無限に出る気がする。夢幻の心臓

 

 

虫が家の中を飛び交うのは子どもの頃はあたりまえだった。

 

ぼくが子どもの頃は家に網戸なんてなかったし、夏は戸を開けっぴろげているから、夕飯のときなぞは、様々な虫が頭上を飛び交って、ごはんにも、もちろん飛び込んできた。

 

天井からは、はえ取り紙が何本も吊り下がっていて、虫だらけだった。

 

トンボも蝉も蛾もゴキブリも飛び回っていて、はえ取り紙にひっかかるたびに、大変なことになっていた。

 

コウモリも飛び込んできた。

 

風呂場にはムカデやゲジゲジや、カマドウマが毎日のようにうごめいていた。

 

蚊にもずいぶんさされたものだ。

 

日常生活であんな風に蚊に刺されることなんて、もうしばらく経験していない。まぶたをさされると、お岩さんみたいになるものなあ。なんだかああいう生活だった頃は、いろんなことにおびえる必要がなかった気がする。あたりまえだったからね。

 

やっぱり人間は、弱くなっている。もちろんすべてのひとに当てはまることではないかもしれないけれど、ぼくは確実に、あの頃に比べたら弱くなっている。

 

 

買ってきたブロッコリーに、青虫たくさんいた。巨大なやつは外に逃がしたけど、ちっちゃいやつはつぶしちゃった。

 

逃がせばよかった。あ〜、逃がせばよかったなあ。

 

不思議なことが多発する。でも、何をして不思議とよぶのかを考える。日常的に不思議なことがおこったら、それは不思議とよべるのだろうか。

 

ふしぎってなんだ。

 

家電が頻繁におかしな挙動をする。この場所、なんか磁場がおかしいんじゃないだろうかという推察にいたる。おもしろくなってまいりました。

 

玄関に睡魔がいる。

 

変な形の笛吹いている。

 

すごい長いシルクハットかむっている。そのシルクハットの上にデカいナナフシみたいな虫が乗っかっている。笛の音にあわせてキイキイいっている。

 

横暴な睡魔の勧誘員は、殺虫剤を入れた牛乳で撃退する日記。

 

眠いよお。

 

何かの本で読んだけれど、人間はどれくらい眠らないでいられるかの実験で、何日間か睡眠を妨げられ続けた人間には幻覚症状がおきだすという。

 

足下から得体の知れない昆虫が無数に這い上ってきて、体を通過して耳元まで来ると、いっぴきいっぴき秘密の財宝の在処をこっそりと呟いたあとに、耳たぶに猛毒を注入して空へ飛び去ってゆくという。

 

昆虫たちが飛んでゆく方向を眺めると、空には灰色の虹がかかっているという。

 

SomewhereOverTheRainbow.

 

おやすみなさい。

 

 

 


月白貉