ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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君の名は、サルナシという。

あ、そういえば、今ふと思い出したことを書く。

 

だから日記だろう。

 

ちょっと前に、サルナシって名前のものを聞いた。

 

実物は見ていないから、サルナシってどんなかなあという思いにふける。

 

イメージとしては、ガイゴウという種類の小型の猿が頭にのせて走っている心臓みたいなピンクの果物。

 

君の名は、サルナシという。

 

ガイゴウはいまでは幻の猿だが、江戸中期頃には、よく夜中に人家に忍び込み、人間の耳たぶを喰うと恐れられた。

 

ガイゴウを殺すには、頭の上にのせたサルナシに朱を塗った鎌を投げて割らなければならず、退治するのが困難だと言われたが、蟹元佐吉郎という武士が、代々家に伝わる妖刀を携えて、ガイゴウ退治に全国を行脚して、ことごとく絶滅したとされている。

 

妖刀の名は「猿神隠し」だという。

 

そんなだと思うなあ、サルナシって。

 

 

 

 

月白貉