ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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トランシルヴァニアのドラキュラ城に民泊できるらしいよ、ハロウィンの日に。

ずいぶん昔の話だけれど、ぼくはアメリカのアイオワ州で、とある一般家庭に一ヶ月間ホームステイしたことがある。

 

まあ海外のホームステイって、ケースによってはけっこうトラブルも多いと聞くが、ぼくがホームステイした家庭は、当時通っていた学校の英会話の先生の故郷にある、彼のご近所さんの家だったので、まったく何の問題もなく素敵な一ヶ月を過ごした。

 

ただそういう間接的な知り合いのケースを除けば、まったく見ず知らずの家に民泊をするという経験はいままでに一度もない。民宿は何度も泊まったことがあるけれど、民泊とはずいぶんと趣は違うしね。

 

最近はAirbnb(エアビーアンドビー)とかいう民泊仲介サービスがあるらしく、世界中のまったくの一般家庭において、例えば家主が旅行中に部屋が貸したいとか、旅行者が海外で安く宿泊したいとかのニーズが合えば、わりと手軽に民泊場所を提供できたり、民泊場所が探せたりするようである、詳細はよく知らないけれど。

 

まあ例えば海外旅行なんか行って、長期滞在での観光が主要な目的で、わざわざ高いお金を出してホテルに泊まらなくても、ある程度基本的な生活空間が確保できればいいよって人には、手軽に安く民泊場所が探せるのはよいことだろう。ただやはり、民泊だけあって、このAirbnbにおいても、貸す側借りる側双方の利用者に、色々なトラブルも起こっているらしい。

 

貸した側の家がゲストによって荒らされたとか、貸した部屋が売春とか乱交パーティーに使用されていたとか、挙げ句の果てには、借りた部屋に女性の腐乱死体が隠してあったとか・・・。

 

そんなAirbnbのウェブサイトを何の気なしに閲覧していたら、とんでもない民泊を見つけた。

 

2016年10月31日から2016年11月01日の一泊だけだが、なんとあのトランシルヴァニアのドラキュラ城に、ゲスト宿泊出来るらしい!!!

 

トランシルヴァニアのドラキュラ城に民泊できるらしいよ、ハロウィンの日に。

image source : https://www.airbnb.jp/

 

時期はまさにハロウィン、日本でのハロウィン喧騒に嫌気がさしているあなたに朗報であろう。

 

ただこの宿泊権を獲得するには、以下のような応募条件をクリアして、勝者とならなければならないらしい。

 

ドラキュラ伯爵の棺桶部屋で丑三つ時を待ちたい物好きな方は、「ドラキュラ城で伯爵に牙を剥かれたそのとき言ってやりたい台詞」をテーマに作文を書き、2016年10月26日11:59pm(中央ヨーロッパ標準時)必着でお寄せください。吸血鬼伝説の知識とダークなイマジネーションをフル稼働で渾身の決め台詞をひとつお願いします。

 

だそうである。吸血鬼愛好家としては、これは応募してみようかと思い、ちょっと腕が鳴る。日本語応募も可能らしいので、ますます確率は高くなる予感である。

 

ちなみに往復航空券なども向こう持ちらしい。

 

ルーマニア国外在住者の場合: ルーマニアのブランまでのエコノミークラスの往復航空券

2016年10月31日のブラン城のイベント参加券

イベント前後のルーマニア滞在中の宿泊券

ブラン城への10月31日の1泊宿泊券

10月31日夕食、11月1日朝食、イベント前後のルーマニア滞在中の食費

旅行保険費用(以上、すべて含めて「賞品」といいます)

 

ちなみにこのドラキュラ城のホストは、作家ブラム・ストーカーの甥の孫に当たるダクレ・ストーカーだそうである。甥の孫ってずいぶん遠いけれど、彼はトランシルヴァニア地方の民間伝承の専門家でもあるらしい、それは興味深い。

 

とまあそんなわけで、ここまで来て、「ドラキュラってなによ?」というあなたは、このウェブログにもドラキュラに関する記事がいくつか埋もれているので、ページの一番下にあるブログ内検索で、「ドラキュラ」、「吸血鬼」、あるいは「ヴァンパイア」などと入力の上で検索して頂きたい。以下にもいくつか記事をあげておこう。

 

関連記事:私は死してもこの世に蘇り、暗黒の力と結束して復讐することを誓う! -『ドラキュラ』(Bram Stoker's Dracula)- 前編 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

関連記事:私は血を糧に、生きつづけてみせる! -『ドラキュラ』(Bram Stoker's Dracula)- 後編 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

 

最後になったが、以下がその民泊の詳細ページである。応募するなら読んでみてね。

 

トランシルヴァニアのドラキュラ城 - 借りられる城 - Bran

 

ドラキュラ伯爵に一泡吹かせる自信のあるヴァン・ヘルシングな方は、ぜひ応募してみてはいかがだろうか。

 

これからぼくも、ニンニクを頬張りながら、台詞を考えます。 

 

あ、ちなみにこの民泊には、城に泊まるのが民泊と言うのかどうか知らないが、ハウスルールがあるそうなので、以下に記しておく。

 

ハウスルール

にんにくを数珠玉のように首にぶら下げてこないでください。

にんにく臭いものも禁止です。

銀のジュエリー類もご自宅に置いてきた方がよろしいかと。

ナイフやフォークで十字を切ってはなりません。

指とかでも十字はとにかくやめてください。

見張り塔のこうもりに気をつけること。

夜明け前にカーテンは全部閉め切ること。

伯爵は「鏡を使った自撮りは得意ではない」と申しております。

 

では、応募にやる気満々の諸君、幸運を祈る。

 

吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)

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月白貉