ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

君の言う事なら、誰でも信じてくれるだろう。『ラストキング・オブ・スコットランド』(The Last King of Scotland)

映画を二本観た、映画館ではないけれど。

 

ひとつは宇宙空間の脱出劇で、もうひとつはウガンダの第三代大統領の物語。

 

後者の話をしよう、アミンという大統領の話だ。

 

ぼくが知っているアミンの話は、希代の独裁者で人肉を食べていたという話くらいだった。アミン大統領を演じていたのはフォレスト・ウィテカー。昔はなんとなく嫌いな役者だったけれど、今は割と好きな役者の一人だ。そして、なかなかの迫力で演じきっていたと思う。その部分に関して言えば、すごい映画だと思う。

 

そもそもぼくはアミンを知らないので、あくまで映画の中での迫力というレベルだけれど。映画を観て思ったことは、「真実は?」ということだった。往々にして物語で語られる事柄はずいぶんと捻じ曲げられている。そこには実は真実など微塵もないとぼくは思っている。ドキュメンタリー映画にすら真実が描かれていないことだってざらにあるから。

 

アミンが人肉を食べていたという話をぼくは小学生の頃に聞いたと思う。なんておろそしい話だと思ったけれど、彼はじつは菜食主義者だったとう話を後になってから何かの本で読んだ。真実はわからない。彼が在任中に殺害された国民の数は30万人だと映画の最後で語られていた。彼はその後政権を追われ亡命し、サウジアラビアで死んだらしい。そういうことが、本当かどうかはわからない。

 

ぼくが大学の時くらいだったかなあ、ある雑誌でナチスの大量虐殺の記事が特集として掲載されていたが、その記事の内容がもとでその雑誌は廃刊となった。そのことについてここではあえて語らないけれど。

 

ぼく個人の日常の真実ですら、誰かの都合や、あるいは利益や悪意や、いろんなことで簡単に捻じ曲げられてしまう。じゃあ真実なんて必要なのかな?

 

でも、それでもぼくはやはり真実を抱きかかえて生きてゆく気質だから、そこについてはやっぱりゆずれない。

 

きょう観た二本目の映画の感想をメインに、真実を語ってみた。

 

 

 

 

 

月白貉