ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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新宿ゲームセンター

ぼくが27歳のとき、ぼくを導いてくれた人がいた。

 

いまではもう親交はないけれど、その人からずいぶんといろんなことを学んだ。

 

ぼくがいったいどんな力を持っていて、 その力がどのくらい素晴らしいものかということを教えてくれた。 いまだにぼくは、その自分の力を活かしきれてはいない。 本当に自分がそんな力を持っているのかどうか、 あの頃からいまだに悩み続けている。 もしかしたら、悩み続けたまま死ぬのかもしれない。

 

あれからずいぶんと時がたった今、 ある青年と交わした言葉から、 あの頃の記憶がよみがえった。

 

その夜頭が真っ白になり、ひどい悪夢を見た。

 

二人組の若い女の子に色仕掛けをされ、 短パンのポケットに入った財布を盗まれ、 慌てて警察に届けにいくのだが、 警察署には頭のおかしな婦警しかおらず、 いっこうに手続きが進まない。

 

その後ひとりの女の子を捜し出し、 財布に入っていたキャッシュカードだけ取り返すものの、 主犯のもうひとりの行方がわからない。 仕方なく自らキャッシュカードの残高を調べに最寄りの銀行に向かうが、 銀行のATMコーナーの機械がすべてアーケードゲームになっていて、 残高を調べる術がない。 銀行の外に出るともう夜も更けて、 ゲームセンターと化した銀行の看板のネオンだけが、 ビカビカと輝いていて、途方に暮れる。

 

言葉にすると楽しそうな夢だが、 ずいぶんな悪夢だった。

 

新宿ゲームセンター

 

お題「最近見た夢」

 

 

 

 

月白貉