戦慄怪奇!!見知らぬ配達員
荷物を届けにくる某S急便のぼくの地区担当のひとりで、届け方が荒いとうか雑というか、もはやホラーな域の人間がいる。
突然玄関のドアが「ドンドンドンッ!」と激しく鳴ったと思うと、すかさず「ガチャガチャガチャッ!!」とドアノブが暴れだす。
何だと思ってスコープをのぞき込むと、もう誰もいないのである。
なんだか恐いなあと思ってしばらく固まり、それからふと思い立って郵便ポストをみにゆくと、そこには不在連絡票。しかも住所をきちんと把握していないのだろう、届け先が間違っている。
ぼく宛の荷物ではない。
問題が山積みだが、ひとつひとつ整理してみよう。
まずノックするのはいいが、「こんにちは。」とか「お届けものです。」とか言うべきである。
その反応を見て不在かどうかを判断するべきだ。勝手に、かつ強引にドアを開けようとすべきではない。
そしてもっとも大切なところだが、正確な住所に届けるべきである。
基本の基本の、これまた基本な気がする。
ちゃんとしろや。
仕方なくその住所まで不在連絡票を届けにいって、事情を話す。
ホラーな部分までは話さなかったけれど、話すべきだったかもしれない。夜分にきたら、ほんとうに心霊現象の域である、びびるわ。
そういうことを売りにする宅急便というコンセプトなら、もしかしたら流行るかもね。
ひらめいた(ピコ〜ン)、クール宅急便みたいな配達指定のオプションで、相手への届け方をホラーにする、名付けて「怪奇急便、あなたの知らない配達(仮)」。
各種オプションご用意して、おご依頼お待ちしています。
月白貉