ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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松平直政の騎馬像 - 松江百景

世の中のいたる所には、歴史上の人物だったり著名人だったりのブロンズ像ってものがよく立てられているのを見かけるが、ぼくは基本的にそういう多くのブロンズ像にはまったく興味が無い。

 

そしてたいていの場合、「これ誰だよ。」というパターンが多い。

 

まあそんな中でも今までで割と好きだったブロンズ像もいくつかある、境港にある水木しげる大(おお)先生のブロンズ像とか、ハナ肇の胸像とか。

 

水木さんは幼稚園の頃からの大ファンなので、はじめて境港を訪れて水木しげるブロンズ像の前に立った時には胸にこみ上げるものがあった。

 

そんなぼくがこの街に住み始めてから、ひとつなかなか気になるブロンズ像がある。

 

それが松平直政の騎馬像である。

 

松平直政の騎馬像

 

ときどき、その像の前を通り過ぎるたびに、しばらく立ち止まって見入ってしまう。じゃあなんでそんなに気になるのかなあとある日考えてみたら、それは直政が空を仰いでいる姿が何とも言えずよいのである。

 

松平直政という人物のことは松江藩の初代藩主ということ以外は正直よく知らないのだけれど、この街に住んでいるといたるところで名前を耳にしたり目にしたりする。

 

でもぼくが気になるのはそういう有名性ではなく、その空を見上げる立ち姿にあるのだ。松平直政が好きなんじゃなくて、そのブロンズ像の造形や立ち姿が気に入っているわけである。

 

大ぶりの太刀と弓矢を携えて馬に乗る直政は、いつもいつも大空を仰いでいる。雨の日も風の日も雪の日も、そして穏やかなる晴天の日も。ぼくはいつもそこを通りかかると、いったい彼は、空に何を見ているんだろうと思ってしまって、一緒にのその空の先を眺めてしまう。

 

だから今回の松江百景「松平直政の騎馬像」は、直政が見つめる空も含めての景色というわけである。

 

空を見上げるのって、いろんな意味でとっても大切だもの。

 

 

 

家康の家臣団 (学研M文庫)

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月白貉