ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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2015-11-18から1日間の記事一覧

秘密

「浦島さん、以前ぼくが言っていた相談事の話、聞いていただけるんでしょうか?」 浦島さんはいつものように、薄汚れたヨレヨレのトレンチコートを膝の上にぐしゃぐしゃに丸めて、車窓の外のどこかの景色を、とても透明な笑顔を浮かべながら眺めている。そし…

鉱物

「ところで、 つかぬことを伺いますが、 この辺りで吸血鬼の噂を耳にしたことはございますか? 」 山陰本線のボックス席でたまたま向かいに座った初老の男性が、 唐突に話し始めた物語は実に奇怪だった。 「私は佐渡島の出身でしてね、佐渡島はご存知ですか…

その向こうに見えるもの

ここ数年でめっきり眼が悪くなった気がする。 中学生くらいまでは、確かぼくの視力は2.5はあったんじゃないかと記憶している。 それがいつの間にやら急降下して、今では家でテレビを観るのにも眼鏡を探すまでになってしまった・・・。 昔は視力が低下するな…