ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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スコッチピローではうまく眠れないから、キャッスルをロストするって日記。

誰かと言葉を交わす時間が減ると、誰かとはつまりたぶん人間で、言葉を交わす時間というのは、つまりたぶん自分が、頭の中を駆け巡る言葉を声に出して、誰かという対象があったうえで声に出して、自分の声という音を伴って何かしらの意思疎通を試みている時…

目を閉じちゃいけない、それが決まりなんだウォーキングジョニー日記。

ジャックダニエルで歯を磨こうと思って近所の陰気臭い酒屋に買いに行ったけれど、結局安売りしていたジョニーウォーカーとフェイマスグラウスを買って帰ってきた数日前。 ボウモアとか買おうかと迷ったけれど、この頃のうらぶれたぼくには安いブレンデッドで…

グラデーション

「夢で、あなたのことを見るの。まったく知らないどこかの職場で、すっごく古くて壁も真っ黒で、そう、工業油にまみれたような何かの工場なの。周りには女の子もいるんだけれど、誰も知ってる人がいなくて、何だかみんな顔が真っ黒ですごく怖くて。でも、知…

チクタクチクタクチクタク、クロックワークアップル日記。

ついこの間、夏は終わっちゃったのかと思ったけれど、数日の熱帯夜。残照みたいなその第二波が始まった日から、台所の曇りガラスの窓の外に大きなヤモリたちの影がうろつきはじめた。ある夜に窓を開けて姿を見ようと思ったら、そのうちの臆病な一匹が驚いて…

ロンT、日記。

日記を書こうと思って、散々延々長い文章を書いたけれど、ただただ退屈に無駄にまともなことを書いていて、読んでいて吐き気がしたので、すべて消して今に至る。 消しちゃったよ、おいおい・・・。 日記はちょっと狂っているに限る。 何を書いていたかと言う…

デス日記。

毎日見かける三匹の猫の行動パターンが、かなり複雑でまったく読めない今日このごろ。 三匹の子豚くらいわかりやすければいいんだけれど、いや、何がいいんだかわからないな、まあそれはいいや。 その他にプラス一匹、念能力の範囲がとんでもなく広くてまっ…

七時五十一分

「いま何分だ?」 「えっ?」 「時計を持ってないんだよ。」 「ああ、時間ですか、」 ぼくは慌ててズボンのポケットからiPhoneを取り出して、時刻を確かめる。 「七時五十一分です、いまは。」 老人が満足そうに笑みを浮かべてから、空を仰ぐ。 「ああ、そう…

青いバナナの香りと、日記。

今からバナナを食べようかどうしようか、たぶんもう一時間くらい迷っている。 それが人の生き方なのさ。 迷う時間を惜しいとは思わない。ずっと迷ってばかりだし、その迷いに明確な答えが出たことなんて、考えれば一度もない。そして今までにどれだけ迷いが…

彼方より、日記。

ぼくは、おそらくだが、戻る場所を失ってしまった。 誰も彼もが、戻る場所を持っているわけじゃないことは知っている。ただ、多くの誰かには戻る場所があるはずさ。戻る場所があるってことは、帰る場所があるってことは、たぶん、たぶんそれは大きな救いなん…

ホルロードの影日記

時々くじける。 時々っていう時間軸、時間の感覚か、そういうこと人それぞれだろう。年に一回とか、月に一回とか、週に一回とか、一時間に一回とかさ、でもたぶん、みんな日々の中で、毎日数回はくじけるだろ? ぼくはくじける。日によるが、一日に数回くじ…

レミントンM870日記

同じ道を同じ時間帯に毎日毎日歩いていると、必ず目にする人々がいる。 もちろん、向こうからしても、目にされている自分がいるわけだが。 数えてみるとたぶん、コアな数は二十人くらい、いるんじゃないのかな。 田舎は基本的に徒歩で移動している人が極端に…

ノンノン、エルキュール・ポアロの最後日記。

怖い話を書きたいなあって、この一週間くらいずっと考えてるんだけれど、なんだかうまく頭がまわらない。 最近なにか怖いことってあったかなあと、改めて頭の中をさまよう。 朝起きて、昨夜閉めたと思っていたカーテンが全開だった日があった。 その次の日に…

空の青さの、その先の向こう見ず日記。

もう七年くらいテレビを観ていない。 新聞なんて数十年読んでいない。 上記のふたつが本当にまともなメディアなら、今からでも観たり読んだりするだろうが、まともじゃないからさ。 「なんでテレビを観ないんですかっ!?」って割と聞かれるんだけれど・・・…

夏が終わる頃の夕暮れの、少し血の匂いのするっと日記。

朝起きると雨が降り始めていた。 だからあまり起きたくはなかったけれど、なんとか起き上がり身支度を始める。トイレに行き、歯を磨き、軽いストレッチと一年半くらい続けている我流の筋トレをこなす。我流なので一体どこの筋肉にどんな風に効き目があるのか…

邪王炎殺黒龍波っ、日記。

今朝方の夢にさ、あ、それを書くのはやめた。 どんなふうに書いても、ディテールに配慮するなら、つまりディテールがないと書く意味がないので、具体性を帯びすぎるから、ほんとうに書けないやつだった。 べつに、書いたって、いいんだけど、 だた、社会的な…

ココロのボス日記。

このWEBLOGをほとんど書かなくなったあの日からずいぶん時間が経ち、その間にぼくは、毎日湖ばかり見ていた。 クソみたいな日々を捻り潰しながら、毎日、毎日、 無言のまま、あるいは何かをひとりでつぶやきながら、時には歌を歌いながら、いったいあの湖を…

こっこ、こけっこ、コケコ、怖い日記。

夏もそろそろ、そろそろそろりと終わりを迎えるので、めったに書かない怖い話を少し書こう。 めったに書かないから、歯を食いしばって、寝る前には歯を磨けよ、おいおい。 つい最近、映画館で働いている友人から聞いた話。 「同僚におばけを見る人がいるの、…

無知の鏡像

「ねえ、この家、鏡がないんだね。」 そう言いながら、ミエはぼくの額にデコピンをした。 「冗談のデコピンにしては、本気過ぎだろ、痛いよ。」 「ごめんちん。」 いまこの部屋を取り囲む世界からは、巨大なテレビから流れ出した放送終了後の真夜中のノイズ…

ここでは、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。

「白田さん、もうこの会社に来てから一年半くらいですよね?」 「うん、残念ながら。」 「はははっ、残念ながら、ですか。ぼくね、白田さん見てて、すげえなあって思うことがあって。」 「へぇ、」 「はい、会社にまったく馴染んでないこと、だって自分の前…

アラーム番町皿屋敷、眠りが足りない日記。

午前四時から一時間ごとに設定したiPhoneのアラーム、四回目には起きなければならないというなんだか拷問みたいなルールをいつからだったか、自らに課すようになって、そんな日々が続いた。もとい、続いている。いったいどれほど続いただろうか。確か二ヶ月…

ビューティフルワールド、そして日記へ。

昨夜、わが日常の一幕にエリア常駐型ちっこす仔猫出現の衝撃を日記に書き終えて(衝撃はぜんぜん表現されてなかったけれど)、ぼんやり赤ワインを飲んでいたら、軽く握って机の上に何気なく置いていた右手の掌の内側が、コソコソする。 なんだか嫌な感じに、…

ちっこす日記。

帰り道、いつもの二人は一緒じゃなくて、ポーと一緒にいたのは、ちっこすな名もなき仔猫だった。ロレンスはいなかった。ロレンスには今日の朝、挨拶をした。そして無視された。その時ポーはいなかった。 ちっこすな薄茶色の斑の仔猫は、ポーとロレンスの子供…

涙の理由

「ねえ、さっきから変な黒い虫が顔の周りをずっと飛び回るよっ、なんなのこれっ!タオルで払ってもいなくならないよ、ねえ、うざいよこれ、どうにかしてよ、もうやだよっ!」 アキが頭の狂った交通整理の女性警官みたいに、ぼくの横でハンドタオルを激しく振…

神話

「人間はさあ、動物の血だけを糧にして、生きていけるのかなあ?」 「動物の血って・・・?」 「えっ、動物の血だよ、犬とか猫とかネズミとか、もちろん人間とかさ。」 -------------------- 頭上には青と水色のグラデーションしか見えない台風一過の晴れ渡…

ニュース速報です、パープルな猫感染プライベート日記。

誰かの日記を覗き見たことはあるかな。 物質的に文字で書かれた、鉛筆や筆で書かれた、ごく個人的な誰かの日記を。 覗き見ると言うと、なんだか気の狂った犯罪めいた、江戸川乱歩の描く世界のような趣きがある。でも、ひょんなことから誰かが真剣に書いてい…

名前はなくもないが、吾輩でもない猫野良ニッキー日記。

道端や公園なんかで、野良猫に大量に食べ物をあげている人をよく見かける。 そういう人に限って、その猫を保護するわけでもないのに無駄に体を触りまくり、猫が食べのこした大量の残飯はそのままにして去ってゆく。次の日同じ場所を通ると、その残飯は放置さ…

ヴァン・ヘルシング

「いつもすみません、なにせもうこの歳で、パソコンに関してはあなただけが頼りで・・・、もう神頼みと言ってもいい。」 「神というよりは、あなたは魔法使いよ。神様はぜんぜん助けてはくれないけれど、白田さんはぜんぶ解決してくれるでしょ。ほんとうにあ…

水晶

「今年も、海に入らなかった。」 桃香はなんだか、世界が終わる前日みたいな陰気な表情を浮かべながら、夕暮れ時の影みたいに真っ黒な伸びをして、声をあげた。 「だって、きみ、泳げないんでしょ?」 「泳げませんよ、わたし山奥の田舎のこだから、学校にプ…

歯を磨いてからが、魔術の初級時間ですよ日記。

いまさっき、歯を磨いた。 寝る前のための儀式として、歯を磨いたけれど、いまからスコッチソーダを飲む。 だって日記を書くし。まだ、眠りもしないし、死にもしねーし、たぶん。 焼き立てのクッキーとか食べたいけれど、流石にいまからクッキーを焼く根性は…

『クロガミ』

「なにか怖い話を、聞かせてよ。」 「怖い話って、こんな炎天下の真っ昼間に?」 「うん。」 山奥のバス停で出会ったその女性は、自分の名前を「フォーティーン」だと名乗った。なぜフォーティーンなのかと言えば、自分が14歳だからだと彼女は言った。 「14…