ニール・ブロムカンプ監督のSF短編作品『ラッカ（原題：RAKKA）』本編が遂に公開！

当ウェブログでも何度かご紹介した、ニール・ブロムカンプ（Neill Blomkamp）監督による期待のSF作品『オーツ・スタジオ - ボリューム1 - ラッカ（原題：Oats Studios - Volume 1 - Rakka）』の本編が遂に公開された！

Oats Studiosさん(@oatsstudios)がシェアした投稿 - 2017 6月 14 6:51午後 PDT

以前の記事に関しては以下をお読みいただきたい。

さて、まず気になるのが、本作品のタイトルになっている『ラッカ』とはいったいなんのことだろうという点である。

生粋の日本人であるぼくとしては日本語の「落下」かとも思ったが・・・、どうやらこれは、シリア騒乱の最中にイスラム過激派組織「ISIL」（アイシル、Islamic State in Iraq and the Levant）に占領され、2014年以降ISILの拠点となっているシリア・アラブ共和国北部の都市「ラッカ（Ar-Raqqah）」をベースとしているようである。

本作品の舞台として描かれているのが、そう遠くない未来（2020年）だとされているようなので、国際情勢的あるいは紛争的な裏テーマが含まれた作品なのかもしれない。

ブロムカンプ監督は以下の様なことを述べて、ジェームズ・キャメロン（James Francis Cameron）監督の『エイリアン2』（Aliens）とベトナム戦争の話題を取り上げている。

The filmmaker cannot be making a film without a reason,

The reason can be like Aliens with James Cameron, which was a play on Vietnam; we’re more heavily armed, we’re more technologically sophisticated, why are we losing? It doesn’t appear that way, it appears when you watch it that a Xenomorph is gonna eat you. There’s always a reason.

source: Watch Neill Blomkamp’s intense sci-fi short ‘Rakka’ | Dazed

「映画制作者は理由なしに映画を作ることはできない、例えばジェームズ・キャメロンの『エイリアン2』に込められているベトナム戦争のように、つまりアメリカはあれほどの装備と洗練された技術を投入しながらなぜ負けたのか？」云々、というようなことを言っているのだと思う。

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また本作品に対しても以下のように述べている。

RAKKA is the story of broken humanity following the invasion of a technologically superior alien species. Bleak, harrowing and unrelenting, the humans we meet must find enough courage to go on fighting.

source: Watch Neill Blomkamp’s intense sci-fi short ‘Rakka’ | Dazed

「“ラッカ”は技術的に優れた外来種に侵略され崩壊した人類の物語である。その厳しい状況の中で、人類は戦うための十分な勇気を探さなければならない。」というようなことだろう。

とまあそんなわけで、興味のある方はぜひ本編を鑑賞していただきたい。日本語字幕は付いていないけれど、英語がまったくわからなくても十分堪能できるはずである。そして、シガニー・ウィーバー（Sigourney Weaver）がガッツリ出演しているよ。