ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ジョーダン・ピールの放つドラマシリーズ『ラヴクラフト・カントリー(原題:Lovecraft Country)』、第一話監督はヤン・ドマンジュだってよ。

つい先日行われた第90回アカデミー賞授賞式、皆さんはすでにご覧になったであろうか?

 

ぼくはまだ観ていないけれど、風の噂にいくつかの受賞情報は小耳に挟んでいる。

 

例えば作品賞や監督賞に輝いたギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro)監督による『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)とか、ジョー・ライト(Joe Wright)監督による『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(Darkest Hour)で主演男優賞に輝いたゲイリー・オールドマン(Gary Leonard Oldman)とかね。

 

そんな中で、作品賞や監督賞にもノミネートされ脚本賞を受賞しているのが、黒人差別問題を扱ったホラー作品、ジョーダン・ピール(Jordan Peele)監督による『ゲット・アウト』(Get Out)である。

 

 

ゲット・アウト』に関して、ぼくはまだ未鑑賞なのだが・・・、同作品で監督と脚本を担い、米国のコメディアンとしても知られるジョーダン・ピールをクリエイターとして、彼の設立したモンキーパウ・プロダクションズと、J・J・エイブラムス(J.J. Abrams)率いる製作会社バッド・ロボット・プロダクションズ、さらにワーナー・ブラザース・テレビジョンがチームとなって制作が進められている新たなドラマシリーズが、ずいぶん前から気になっている。

 

HBOからの“ストレート・トゥ・シリーズ”のオーダーを受けているというその作品のタイトルは、『ラヴクラフト・カントリー(原題:Lovecraft Country)』。

 

ちなみに、前述にある“ストレート・トゥ・シリーズ”という言葉はあまり聞き慣れないかもしれないが、これは何かと言えば、通常のテレビシリーズ制作手順の基本である、プロデューサーおよび制作サイドによる事前のパイロット版提供を放送ネットワークが要求しないケースのことである。

 

パイロット版というのは、放送ネットワーク側がドラマシリーズのクオリティーを事前に確認するために要求するシリーズ作品のプロローグとなる第一話目のことで、まあお試し版のようなものであるが、“ストレート・トゥ・シリーズ”というのは、放送ネットワーク側がパイロット版を評価するまでもなく全シーズンの制作をオーダーするという、いわば作品クオリティーへの信頼性が非常に高いケースということになるわけである。

 

さてその作品の概要であるが、 本作品は米国のSF・スリラー作家であるマット・ラフ(Matt Raff)の同名小説『ラヴクラフト・カントリー』を原作として製作されるということであり、パイロット版の脚本を、米国WGN Americaで放送されているテレビシリーズ『アンダーグラウンド(原題:Underground)』の製作・脚本を務めるミシャ・グリーン(Misha Green)が手掛けると発表されている。

 

Lovecraft Country

Lovecraft Country

 
Lovecraft Country

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原作については、1876年から1964年にかけて存在した人種差別的内容を大いに含んだアメリカ合衆国南部諸州の州法“ジム・クロウ法”下における生活の恐怖と、その時代の歴史的フィクション、パルプ・ノワール、そしてタイトルを見ても歴然のように、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの怪奇と幻想の世界を融合した驚異的イマジネーションで展開される作品だということである。

 

残念ながらぼくはまだ原作を未読であるが、物語は1954年のシカゴから幕を開け、22歳の主人公アティカス・ターナーが、行方不明になった父モントローズの捜索のため、叔父であり『The Safe Negro Travel Guide』の編集者でもあるジョージと幼馴染のレティシアを伴って、ニュー・イングランドへの旅に出発するというものらしい。

 

そしてドラマの放送開始時期や制作進行具合に関しては不明だが、そのパイロット版、つまり第一話目の監督としてフランス出身の映画監督ヤン・ドマンジュ (Yann Demange)の名前があがっているらしい。

 

ドマンジュ監督はこれまで『ベルファスト71』('71)や『ホワイト・ボーイ・リック(原題:White Boy Rick)』などを手掛けてきている人物だが、もうひとつ、英国で放送されたドラマシリーズ『デッド・セット(原題:Dead Set)』という、リアリティ番組を表現の根幹に据えたゾンビものの監督を務めているという点が、ちょっと気になっている。

 

ベルファスト71

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とまあそんなわけで、ドラマ版『ラヴクラフト・カントリー』自体はまだまだ謎のベールに包まれてはいるのだが、最後にドマンジュ監督の過去作品の予告編を取り上げてお開きにしたい。

 

ベルファスト71』、そしてゾンビドラマ『デッド・セット』、興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

 

 

 

 

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