ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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邪悪な子供を宿した女性の恐怖を描く悪魔ホラー、ビレイ・ダルキラン監督『ザ・クロスブリード(原題:THE CROSSBREED)』

トルコはイスタンブール出身の映画監督ビレイ・ダルキラン(Biray Dalkiran)によるホラー映画、『ザ・クロスブリード(原題:The Crossbreed)』の話題を取り上げたい。

 

 

タイトルの「クロスブリード」とは、「雑種」あるいは「異種交配する」という意味を表す言葉である。

 

このタイトルやポスター・ヴィジュアルを見て、勘のいい方はもうお気付きかもしれないが、この作品は細分化ジャンルでいうところの悪魔映画となっている。

 

またティザー・ポスターのヴィジュアルに関して言えば、ロマン・ポランスキーRoman Polanski)監督の 『ローズマリーの赤ちゃん』(Rosemary's Baby)を想起させるものである。同作品は米国の作家アイラ・レヴィンIra Levin)の同名小説を原作として製作されており、小説の発表から今年(2017年)で50周年を迎える。そしてご存知のように、同作品は悪魔を題材にした物語である。ちなみにポランスキー監督による映画作品に関しては1968年に米国公開されているが、原作の50周年記念に因んだリスペクト的な意味合いを、ダルキラン監督はポスター・ヴィジュアルに込めたのかもしれない。

 

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さて本作品の物語であるが、主人公のエイミーが宿した赤ん坊には秘密が隠されているというものらしい。つまり、生まれてくる赤ん坊は悪魔かもしれないという、正に『ローズマリーの赤ちゃん』的物語なのである。またこの物語の舞台となる土地には、昔ある少女が悪魔に見初められてその子供を宿したという話が残っており、その言い伝えを研究しているジャーナリストの話でもあるらしい。さらには、最後に取り上げる予告編を観ていただくとチラッと出てくるのだが、「リリス」という存在がキーワードとなっているようである。

 

リリスLilith)とは、ユダヤの伝承において男児に危害を加えると信じられていた女性の悪霊である。またリリスはアダムの最初の妻で、アダムとリリスの交わりから悪霊たちが生まれたという言い伝えや、リリスは後にサタンの妻になったという話もある。つまり前述の悪魔に見初めらたという少女の言い伝えは、リリスの話をベースとしているのかもしれない。

 

さて本作品の出演者だが、主演のエイミーを演じるのは、フォーミュラ4の開発ドライバーという肩書を持つ米国の女優アンジェラ・デュラゾー(Angela Durazo)。

 

 

そして、ネイサン・シェラーラップ(Nathan Schellerup)、マリンダ・ファーリントン(Malinda Farrington)、ダニー・ウィン(Danny Winn)、ケイティ・ベンツ(Katy Bentz)、チャド・エイヤーズ(Chad Ayers)、クリスティン・ヘイワース(Kristine Hayworth)、クリスタル・チニ(Krystal Tini)、マルクス・ボビシッチ(Marqus Bobesich)、ソフィア・ドミンゲス(Sofia Domingues)、ルー・カリフ(Lou Cariffe)などが出演している。

 

ちなみに以下は、プロダンサー、衣装デザイナー、振付師など様々な顔を持つクリスタル・チニのフィットネス動画である。本作とはまったく関係ないが、無駄にセクシーな姿でのフィットネスがちょっとおもしろかったので、興味のある方はぜひどうぞ。

 

 

というわけで最後に、本作品の予告編を取り上げるので、気になる方はぜひご覧いただきたい。本作品は2017年11月1日に米国公開を予定している。

 

 

 

 

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