雪屋とコンコンと、混沌の桶屋日記。
最近、寝坊を連発して朝食を食べなかった日が数日あり、今日もまたうっかり寝坊をして朝食を食べる機会を逃してしまった。
世間では朝食を食べないのは健康によくないとか、いやいや反対に朝食を抜いたほうが体に良いとか、様々なことがささやかれているが、個人的には世間の多数決云々とか健康がどうとかは実にどうでもよくて、朝食というものが好きだから食べているのであり、食べなかった日はなんだかもやもやしちゃうし、当然、お腹が減っちゃう。
ただそれだけである。
昨今の、特に日本では、あれをやっちゃいけないとか、あれをやったほうがいいとか、誰かのとんでもないデマとか著名人の勢いだけの主張とかをベースとして自分のやるべきことや生き方を決めていて、それが正しいとか思っちゃっているようだが、ぼくにはまったく馬鹿げているとしか思えない。
自分のやりたいことをして、やりたくないことはしない。それでよろしかろう。その自身の行為によって圧倒的に他人に迷惑や被害を及ぼさなければ、別にそれでよろしかろう。ただしかし、風が吹けば桶屋が儲かるという言葉の示すとおり、誰かのささやかでわずかな行為は、いずれにせよ見知らぬ誰かに影響を与えているのである。例えばだが、ぼくがこっそりとかました放屁の影響により、どこかの国で内戦が勃発する可能性だって否定はできない。
つまり放屁が好きでどうしても我慢できないが、場所を選べば誰かに迷惑のかかることではないと思い、誰かの顔の目の前や大いなる公共の場を避けて放屁をしまくっていたとしても、必ずしもそこだけに留まることにはならないであろうから、そういったことも踏まえてあるがままに生きれば良いと、そう思う。
ちなみに念のためだが、ぼくは放屁愛好家ではない。その意味は、自ら放つことも、奇妙な性癖として誰かの放屁を嗅いで興奮したりすることも、まったく好まないので、誤解のないように願いたい。
外では雪が降っている。
ぼくは大雪とか、台風とか、そういった人間を脅かす自然の猛威が案外と好きである。なんだかそういうものは、自分たちにはどうにも出来ない大きな力の片鱗のようで、ワクワクしてしまう。そういうものへの畏敬の念や憧れこそがおそらくは純粋な信仰と呼べるものであり、取り立てて既存の諸宗教の神とか悪魔とかのファンにならなくても、ぼくには雨や風で十分である。
そういう質なので、いわゆる自然災害系のディザスター映画と呼ばれるジャンルなんかを結構好む。『デイ・アフター・トゥモロー』とか『ディープ・インパクト』とかね。
近年の噂によれば、程なくして地球にプチ氷河期が訪れ、人間社会にかなりな打撃を与えるだろうと言われている。その為に地球外の惑星に、まあ火星だと言われているが、そこへの移住計画がかなりリアルに進められているとか。ぼくの聞いた話だと、今後数十年レベルの話だそうなので、ひょっとしたらレアなプチ氷河期を体験できるかもしれないと思うと、やはりちょっとワクワクするが、あまり年老いてからではかなり過酷な状況であろうから、それは嫌なので、くるんだったらさっさと来てくれと思っている。
なんだったら来週くらいでもいいよ、スケジュール空けとくからさ。
そんなわけで、この雪が史上まれに見る大雪と化し、様々なインフラの機能が麻痺し、数日間食事もままならなくなる前に、何か食べよおっと。
けれどもしそうなったとしても、今は、風よ吹け、雪よ降れ。
月白貉