ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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サム・スミスをアカペラで口ずさむ午後、そして時々アニョハセヨ日記。

きょうはどういうわけか知らないが、心がずいぶんとどんより曇ってしまって、自分ではどうにもなりそうにない。

 

だからもう今からでも、ハンバーガーとフレンチフライを貪りながらビールを飲んで、さらにバーボンも飲んじゃって、酔っ払ってサム・スミスのWriting's On The Wallを歌いならが床に倒れて、眠ってしまいたい気分である。

 

昨日夜遅くに、Writing's On The Wallの歌詞を見ながら繰り返しアカペラで練習したので、サム・スミスの歌唱力には到底及ばないながらも、かなり歌える気がする。

 

でも、ぼくの家は恐ろしく寒いから、床で眠ったら死ぬかもしれないなあ。けれど、そういう死に方だってあるさ。

 

まあそうやって今日死ぬにせよ、まず第一段階として、ハンバーガーとフレンチフライが必須アイテムとなる。元気な日なら自分で手作りするけれど、きょうはそんな気力はないなあ。でもマクドナルドなんか行くのは自分に負けた気がするし、バーガーキングはないし、モスバーガーはあるけどモスバーガーって昔に比べてクオリティーが落ちててあまり食べる気がしないし、いずれにせよ外食って嫌いだから、いったいどうやったら心が曇ったぼくは、第一の鍵となるハンバーガーとフレンチフライを手に入れることができるのか、まったく思い付かない。

 

もしこの瞬間、ぼくのもとに突然見知らぬ誰かが現れて、ウインクをしながら大きな紙袋を手渡されて、その中にハンバーガーとフレンチフライが入っていたなら、その誰かは確実に天使あるいは悪魔に違いない。

 

さっき道を歩いていたぼくは、唐突に自分の視力がかなり落ちていることに気が付き、このまま二三日の内に目が見えなくなるんじゃないのかと真剣に恐怖を感じてしまった。そのくらい、心が曇っているのである。

 

この世界にはもちろん視力を持たない、あるいは失ってしまった人は山ほどいるだろう。でも視力がなくとも自分の力でまっすぐ生きている人も山ほどいるはずである。しかし、恐怖というのはそういう何かとの対比ではなく、純粋に自分の中に巣食ってしまった暗黒のようなものである。

 

さてと、きょうは短い小説も映画の話もこれっぽっちも書けそうにないし、かと言って今すぐビールを飲み始めるわけにもいかないから、ハンバーガーもフレンチフライも、ビールもバーボンもない状態で、小さな声でWriting's On The Wallを歌って、床に倒れて眠るのも我慢して、しばらくしっかり生きて、そして日が暮れて夜が訪れたらビールを飲もう。

 

だれか、そこのだれか、夜の帳が下りる前に、ハンバーガーとフレンチフライを、我もとへ届けたまえ。

 

ヨボセヨ、カムサムニダ、あなたはまだ、生きていますか? 

 

 

 

 

In The Lonely Hour

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Thrill of It All -Deluxe-

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月白貉