ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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短編小説『南にある黒い町』プロットと単行本表紙デザインなど

しばらく書き続けているラフ的な物語が案外と長くなってきたので、小説のタイトルとプロット再考、そして単行本を想定した表紙デザインなどを掲載してみようと思う。

 

タイトルはまだ暫定ではあるが『南にある黒い町』(Black Town in the South)。

 

南にある黒い町

 

もし物語を読み進めてくれている奇特な方がいるとすればおわかりだと思うが、このタイトルは物語の舞台となっている「南黒町」という架空の町の名前を指し示している。もしかしたら同じ名前の町が日本の何処かに存在するかもしれないが、これはあくまでフィクションである。

 

そして、物語は不気味な殺人事件から幕を開ける。

 

序章 - 団地の魔女

 

設定としてのこの町の名の由来は、かつてこの地が「南にある黒い穴」と呼ばれていた場所で、それから「南黒穴」という地名に転じたのだが、穴の意味が廃れ南黒だけが取り残され、現在の「南黒町」に至っている。そして、物語に登場する南黒町団地の敷地は、かつては特殊な民俗信仰の影をたたえた聖地だった場所として描かれている。

 

登場人物は、主人公である高校生の鹿狩白兎(かがり はくと)と同級生の塩田稔(しおた みのる)、白兎の祖父である鹿狩半三(かがり はんぞう)、そして物語のカギを握るラゴという名の老婆である。

 

このラゴという人物は、ぼくの他の創作世界の中にも登場する。

 

基本的に当ウェブログに書き連ねている様々な物語は、ほぼすべて同軸の世界観を共有している。

 

そしてぼくがこの『南にある黒い町』の軸として当初考えていたのは、町で起こっている不気味な事件の本筋ではない。主要登場人物以外に軸を置いている。一見すると物語の着地点となっている廃神社を取り巻く話が実はメインにしたくて、古い聖地と、猿のような姿をした者、そして人身御供あるいはカニバリズムというテーマを持った小さな物語を、本来は想定している。

 

とまあそんなわけで、自己満足的に頭の中で展開している物語を細々と紡いでいるので、本編の筋からはだいぶ離れゆく地味な場所に着地するかもしれないし、物語がどこへ流れてゆくのかはその時の風向き次第であるが、興味があればお付き合い頂きたいものである。

 

最後に帯付きの表紙デザインで一旦お茶を濁し、引き続き本編にて物語を紡いでゆこう。

 

帯には誰かの一言コメントでも載せたいところだなあ。

 

南にある黒い町

 

 

 

月白貉