ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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困った時はオタガイサマ、そしてカレー食べたい日記。

数日前から心が荒んでいて、どうにもこうにも、やりきれない。

 

「もう死にたいニャア」と猫語でつぶやくまでではないにせよ、今なら猫に喰われて死ねる気がするほど、心を闇が満たしている。

 

まあそうなってくると日々のウェブログ更新もそろそろ途絶えるかもなあと思いつつ、しかし無駄な使命感に苛まれて鬼の形相で歯茎から血を流しながら一日必ず一記事はアップしている。内容は雑になっているかも知れないが、逆にそういう時に限って意図せぬヘンテコリンな文章がおもしろかったりすることもある。

 

心が病んでいる時や泥酔している時の文章は、たいてい優れている場合が多い。

 

先日泥酔してやや記憶が飛びがちな中、個人のFacebookにわけのわからないことを書いていたが、あとで読んでみたらなかなかおもしろかった。真夜中にワイングラスの写真をアップして、今自分は血を飲んでいるということを淡々と語っていた。ワイングラスの中にはもちろん赤い液体が入っている。薄暗い部屋で撮影したので、赤黒い液体に写っていた。それが本当に血だと思って友だちを解除した人もいるかもしれない。まあ、本当に血なんだけどね、ということは伏せておくことにする。

 

さて、そろそろ何とか気持ちを持ち上げないとならないが、そういう類のことは自分ではなかなかどうにもならず、困ってしまう。そんな時にはいい方法がある。

 

昔からよく言うでしょ、「困った時はオタガイサマ」。

 

この言葉はつまり、困った時には“オタガイサマ”にお願いすればよいという俗信である。

 

オタガイサマというのはほとんどの方がご存知のように、日本に古くから存在する神様のようなものである。困った時に、自分の頭髪をある程度の本数引き抜いて、だいたい300本が目安だと言われているが、それを和紙に包んでオタガイサマのところへ持ってゆき、困り事を取り去ってくださいとお願いすると大抵の場合願いを聞き入れてくれると言われている。しかし間違えて頭髪ではなく陰毛をもってゆくと、陰部が爛れて腐り落ちてしまうという、なかなか恐ろしい神様である。

 

このオタガイサマ、存在自体はよく知られているが、オタガイサマのいる場所を目にした方は少ないのではないだろうか。つまりオタガイサマにお願いしようにも、まず場所を探すのが困難なため、お願いに行ったという人は少ないかも知れない。

 

ぼく自身も、まだ一度としてオタガイサマへのお願い事を試したことはないが、しかしオタガイサマがいると言われている場所を見つけたことはある。

 

オタガイサマは、稲荷神社の社の裏側に空いた丸い穴の中にいると言われている。その穴の中に、人間の髪の毛のような見た目をした植物のようなものが生えた球形の岩が置いてあった場合には確実にそれがオタガイサマ本体であるが、あくまでそれ自体は人の手によって作られた偶像であるため、置かれていることは稀である。

 

またオタガイサマの多くは、自宅の敷地内にある屋敷稲荷に囲い込んであるケースが多いので、一般的な稲荷神社でオタガイサマの穴を目にすることは難しいと言われているが、屋敷稲荷に見られるオタガイサマはあくまでも擬似的にオタガイサマを祀ったオタガイ講の産物であり、本物のオタガイサマではない。そのためお願い事をしても効力はほとんどないと言われている。

 

とまあ、そんなオタガイサマを、ぼくは近所の稲荷神社で見つけたのである。ほとんど人が訪れないような山の上の古い墓場の奥にある寂れた稲荷神社の社の後ろに丸い穴が空いていて、その穴の中には和紙で包まれた髪の毛が山ほど置かれていた。間違いなくあれはオタガイサマの穴である。

 

しかし、お願い事にいくかどうかは迷っている。なぜなら、髪の毛を300本も引き抜くのが嫌なのと、俗信とは裏腹に、ちょっと邪悪な話を古い文献で読んだことがあるからである。

 

その邪悪な話は、なかなか常軌を逸していてここで書けるような内容ではないので、割愛させて頂く。

 

困った時はオタガイサマ、もし試したことがある方は、こっそりと効力のほどを教えていただきたい。そしてもしお願い事が叶った際に、自分の身にどんなことが起こるのかも、教えていただきたい。

 

さてぼくは、オタガイサマを利用する前に、もう一つの困ったこと対策、「困った時は、おせちもいいけどカレーもね」を試すために、今日はこれからカレーを作る。

 

それでもし心が晴れたら、オタガイサマへのお願い事はまた次回に繰越である。

 

さて、カレーカレー。

 

困った時はオタガイサマ、そしてカレー食べたい日記。

 

 

 

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月白貉