ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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小さな世界も大きな世界もキュウリもバナナも、すべて日記。

ここ一週間ほど、チャタテムシばかり追いかけていたので視点が超絶にミクロになり、床や机に落ちている小さな粒がすべてチャタテムシなんじゃないのかと勘ぐってしまい、そのすべてをぜんぶ指で潰してみたくなってしまうという病気にかかっている昨今である。

 

これこそまさに俗に言うチャタテム症候群であり、これはインドの心理学者ムハマンド・チャタテム博士の名前にちなんでいることは言うまでもない。

 

さて、少し話が飛ぶが、ごくごく小さいものに注目して視点をそちらに移行すると、周囲の景色がまったく違って見えてくることがある。

 

例えば先日、蟻の行列を見つけたのでふと気になって少なくとも2時間は眺め続けていた。どうやら巣穴を引越ししているようで、その行列の中に半透明の幼虫を咥えた一群が歩いていることに早々に気が付いた。その時点で、ぼくの目線は完全にギュンと蟻視点に近くなっていて、周囲を蠢く蟻以外の様々な生物が、通りかかる人間ばりにクッキリと見えてくるようになってしまうのである。なんだったら、蟻の尻にくっついている肉眼では到底見えないようなダニだか微生物のようなものまで見えてくる。その蟻の尻にひっついているダニの笑顔まで見えてくる。

 

これは本当に見えてくるので、蟻の行列を見つけた際には、ぜひお試しいただきたい。

 

ちなみに引っ越しの最中、途中で大きな種類の蟻の襲撃があったり、幼虫運搬係の蟻の中に何をトチ狂ったのか引越し先ではなく旧居に幼虫を戻そうとしている数匹がいたりして、なかなか見ごたえのある引っ越しであった。

 

そして話を戻して、ふと、毎日使っている財布の中にもチャタテムシがいるんじゃないのか?という不安に苛まれた昨日、超絶ミクロな視点で財布の中を隈なく調べてみると、チャタテムシはいなかったのだが、折畳式の財布の小銭入れの小脇のアコーディオンみたいな部分に蜘蛛の巣がはられていて、その中で実際に蜘蛛が生活しているという衝撃的な事実が判明した。

 

タンスに仕舞ってある財布ではなく、毎日持ち歩いて使っている財布である。

 

正直ちょっと怖ろしかったが、反面楽しくもあった。

 

だって、ぼくはいつからかは知らないが、蜘蛛の居住スペースをそこで生活している蜘蛛ごと携帯して毎日歩き回っていたのである。

 

ちょっとした巨人族の成せる技にも似ている。

 

そして、世界が広大だということを、改めて思い知らされた。

 

だから皆さんもぜひ、時には視点をグンとミクロにして生きてみて欲しい。

 

毎日使っている歯ブラシのブラシの隙間に、ビッチリと何かの幼虫がへばり付いている可能性もあるからね。

 

というわけで、今から夕ごはんを作り出さなければならない。

 

ここ数日の流行りは、キュウリとバナナのサラダである。以前の日記でみどりの小野さんから反応があったので、軽い詳細を綴っておく。

 

これはキュウリとバナナを薄く切って皿に適当に並べて上からプレーンヨーグルトをぶちまけて胡椒を挽いただけのシンプルなものだが、暑い日にはもってこいである。ミントや蜂蜜を加えるというシャレオツな技巧もあるが、ない方がより純粋で美味しい。このシンプルなサラダをオープンオムレツにのせて食べたり、カポナータと一緒にパンにのせて食べたりしても美味しい。唐辛子の酢漬けなども合う。スパークリングワインなどあれば、ゴクゴクとボトル三本はすすんでしまう。

 

今日も作る。

 

以上、事故現場からマイケルがお伝えしました。

 

小さな世界も大きな世界もキュウリもバナナも、すべて日記。

 

 

 

 

月白貉