ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

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明
明

空が青いから、っぽ日記。

きょうは空が青い。

空が青いから、蝉が鳴いている。

 

大抵のことの理由は、空が青いからだろう。

 

会社をやめた理由も、恋が終わった理由も、近所の豆腐屋がいつ行っても完売な理由も、毎日使っているマウスパッドに突然カビが生える理由も、そして戦争がなくならない理由も、それは空が青いからに違いない。

 

空が青いのを見つけた日は、もうただ、その空を見るためだけに出かけて、どこまで行けばあの空がもっと青いのかだけを考えながら歩き続けて、その日の終わりには、世界のいたるところに口を開けている世界の果てへ通じる穴に落っこちて、世界の果てで突っ伏して、青い血を流して、そこで死にたい。

 

空が青いから、人は死んで、そしてまた蘇る。

 

いつか観たゾンビ映画で、死者が墓から蘇る理由は、空が青いからだと言っていた。

 

ゾンビが溢れかえる近い未来、空が青くなくなる日が来るかもしれないけれど、空が青くなくなる理由だって、空が青いからだろう。

 

きょうは何もしたくない。

何もしたくないと考えることすら、したくない。

その理由は、空が青いからだ。

 

開け放った窓の外から、気持ちのよい風に乗って殺虫剤みたいな匂いが流れ込んでくる。

誰かが外で虫を殺しまくっているのか、あるいはぼくを殺そうとしているのか、それはわからないが、そんな瞬間、空が果てしなく青く素晴らしいこの世界は、同時にクソみたいな世界なのだ。

 

昨日出来なかったことや、明日出来ないことを、空が青く美しいこの瞬間に。

 

口からあの空みたいに青い言葉を解き放とう。

 

「おはよう。」

 

空が青いから、っぽ日記。。

 

 

 

 

月白貉