ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ギレルモ・デル・トロ絶賛、短編ホラー映画『MAMA』を生み出したアンディ・ムスキエティ監督を知ってるかい?

2017年に公開される最新映画の中で、いま最も注目されている“クラウン”映画と言えば、2017年9月8日に米国での公開が予定されている、アンディ・ムスキエティ(Andrés Muschietti)監督版の『イット』(It)であろう。

 

It

image source : It

 

本作品は御存知の通り、アメリカのモダン・ホラー界に君臨する作家スティーヴン・キング(Stephen Edwin King)の同名小説を原作にした作品であり、かつて1990年にはトミー・リー・ウォーレスTommy Lee Wallace)監督によるTV映画としてすでに一度映像化されている。

 

ちなみにウォーレス監督は、アメリカ映画界の“レジェンド”とまで言われるジョン・カーペンター(John Howard Carpenter)の元でキャリアを積んでおり、『ジョン・カーペンター要塞警察』(Assault on Precinct 13)では美術監督、また『ハロウィン』ではプロダクション・デザイナー、そして編集として参加している。さらには1982年公開の『ハロウィンIII』(Halloween III: Season of the Witch)で監督としてデビューを果たしており、本作品では脚本も担っている。

 

さて、このトミー・リー・ウォーレスはおそらく日本ではそれほどメジャーな映画監督ではないが、今回新たに『イット』の監督を担うアンディ・ムスキエティに関しても、日本では同様にほぼ知られていないのではないだろうか。

 

というわけで今回は、このアンディ・ムスキエティ監督に焦点をあてて、少しばかりの無駄話を展開させていただきたい。

 

 

アンディ・ムスキエティは1973年生まれのアルゼンチン出身の映画監督であるが、メジャーラインでの映画人としてのキャリアはまだそれほど長くはないようである。しかし彼が2008年に制作した短編作品『Mamá』がギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro)の目に留まり、その後本作品をベースとした2013年公開の長編映画『MAMA』(Mama)で、ハリウッドでの長編監督デビューを飾っている 。

 

Andrés Muschietti

image source : Andrés Muschietti - © 2013 Universal Pictures

 

もちろん本作品の製作総指揮はギレルモ・デル・トロが担っている。日本での正式な劇場公開には至っていないが、ソフトの発売を記念して一週間のみの限定で劇場公開されている。ちなみに本作品はわずか1500万ドルの予算で、1億4600万ドルを超える興行収入をあげているそうである。

 

 

さてその後、この『MAMA』の成功を受けて、現在トム・クルーズTom Cruise)主演で話題となっている2017年版『The Mummy』の監督に指名されたのだが、ジョン・スペイツ(Jon Spaihts)による脚本草案に対しての考え方の違いにより降板している。この『The Mummy』はその後アレックス・カーツマン(Alex Kurtzman)監督に引き継がれ、2017年6月9日に米国での公開を予定している。さてここで一服ということで、公開間近の本作品最新の予告編を取り上げておくので、興味のある方はご覧いただきたい。

 

 

さらに、現在ムスキエティ監督は『ワンダと巨像』(Shadow of the Colossus)の実写化作品の監督を担うということでも一部で話題を集めている。『ワンダと巨像』と言えば、昨年2016年の末に満を持してリリースされた『人喰いの大鷲トリコ』(The Last Guardian)で知られる上田文人によって2005年にリリースされた名作ゲームであり、当時個人的にもずいぶんとハマった思い出があるので、映画化に関しては密かに期待を寄せている。

 

そしてついに、この2017年公開の新生『イット』において、その新たなる一歩を踏み出そうとしているわけである。

 

当初、この2017年版『イット』はキャリー・フクナガ(Cary Fukunaga)監督によって進められていたのだが、フクナガ監督降板の後、ムスキエティ監督が引き継いでの完成に至っている。また監督交代に伴って、当初のペニーワイズ役だったウィル・ポールター(Will Poulter)から、新たにスェーデンの俳優ビル・スカルスガルド(Bill Skarsgård)にペニーワイズ役が引き継がれている。

 

ムスキエティ監督については、ここに記してない細かな動きもまだまだ山ほどあるのだが、まあざっとこんな感じが今回の『イット』までの流れとなっている。

 

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さて最後に、ぼくが個人的に鑑賞した彼の作品に関しては、長編デビュー作となる『MAMA』と、そしてその切っ掛けとなった短編作品『Mamá』のみなのであるが、この彼の核とも言える『Mamá』の動画が公開されているので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。

 

冒頭にはギレルモ・デル・トロによるイントロダクションも入っているよ。そして、長編版も鑑賞しているぼくとしては、長編版よりも短編版のほうが圧倒的におもしろいと感じる。

 

 

 

 

 

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月白貉 - Mujina Tsukishiro