ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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『エイリアン: コヴェナント』の失楽園的なポスター・ヴィジュアルが公開、これはH.R.ギーガーへのオマージュなのか。

The path to paradise begins in hell.

楽園への道は地獄からはじまる。

 

米国での公開が2017年5月19日と、もう近所の酒屋くらい目前に迫りつつあるリドリー・スコット(Sir Ridley Scott)監督の『エイリアン: コヴェナント』(Alien: Covenant)。

 

前述の言葉は、本作品の物語を象徴するキャッチコピーのひとつである。

 

そしてこの言葉は、イギリスを代表する詩人ジョン・ミルトン(John Milton)の『失楽園』(Paradise Lost)にある以下の言葉に少なからず関係があるように思われる。なぜなら当初本作品のタイトルは『エイリアン: パラダイス・ロスト』(Alien: Paradise Lost)と発表されていたからである。つまりこの物語の背景には、“失楽園”というテーマが隠されているのではないだろうか。

 

Long is the way and hard, that out of Hell leads up to light.

地獄より光明に至る道は長く険しい

 

個人的には、2017年に公開を予定している映画の中でも圧倒的に期待を寄せている作品なので、ずいぶん前に初公開された予告編以降は情報をシャットアウトしている、つまり目を瞑って耳を塞いだまま直走り、本編にぶち当たりたいわけである。というわけで本作品に関して個人としては、極力見ざる聞かざるを貫き通すが、言わざるのはつまらないので、言えることは言う。

 

だって、新しいポスター・ヴィジュアルが公開されたから、言いたくなるでしょ、だから今回はその新たに公開された『エイリアン: コヴェナント』のポスター・ヴィジュアルを取り上げる。

 

以下が20世紀フォックス(20th Century Fox)から公開された新たなポスター・ヴィジュアルである。

 

 

今まで公開されてきたものとは打って変わって、非常に躍動感のあるものになっている。見方によっては宗教画か、あるいは邪悪な神を崇める洞窟教会の奥に飾られた彫刻のような趣を持っている。

 

さらには、この『エイリアン』(Alien)におけるゼノモーフ(Xenomorph)を生み出したH・R・ギーガー的世界観をもつヴィジュアルである。

 

Alien: Covenant

 

しかしこのヴィジュアルを見て一番初めに頭に浮かんだのは、リドリー・スコットではなくジェームズ・キャメロン(James Francis Cameron)監督の『エイリアン2』(Aliens)におけるシーンであった・・・。

 

まあそれはさておき、やはり注目すべきは、フェイスハガーが寄生しているのが、前作の『プロメテウス』(Prometheus)に登場した“エンジニア”であるということ。この地球外生命体は宿主の遺伝子に影響を受けて成体へと成長するようなので、寄生されたエンジニアの周囲を取り巻く成体は本作品で初登場となる新たな“種”ということなのだろう。新種のゼノモーフの話はずいぶん前からあったが、前述のようにある時期から情報をシャットアウトしだしたので、もし情報が公開されていたとしてもあえて知り得ないことにしている。最新の予告編も観ていないのでね。

 

米国での公開は2017年5月19日だが日本では9月、遅すぎる、それまで果たして見ざる聞かざるを貫けるかが不安になってきている今日この頃である。

 

というわけで、最後に、ぼくはまだ観ていないし、本編を観終えるまで観ないと固く神にも悪魔にも誓った最新の予告編、まだ観ていなくて、本編鑑賞前に観てもいい方は、ぜひご覧いただきたい。

 

自分は観られないのに予告編を取り上げるというのは、禁酒しているのに自ら酒盛りを主催するようなもので、気が狂いそうになる。

 

 

 

 

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