ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ビル・モーズリーが演じる人喰い道化師の名はクルピトゥス、恐怖のクラウン映画『CREPITUS』。

アメリカ映画におけるピエロ、特にホラーとしてピエロを描いた作品は実に多いような気がするということにはこのウェブログでも何度か触れているが、2017年に劇場公開される恐怖のピエロ映画は、現時点でぼくが知るだけでも4作品もある。これはあくまでぼくが知っているだけの数なので、おそらくはもっとあると思う、やっぱり多いね・・・。

 

余談だが、日本だとあの手の道化師を一緒くたにして“ピエロ”と呼びがちであるが、ピエロというのは厳密にはサーカスにおけるクラウンの一種あるいは亜種であり、クラウンよりもさらに馬鹿にされる一番のおどけ役だと言われる。クラウンとピエロは違うのである。サーカスの道化師の中で階級制度があるかどうかは詳しくは知らないが、例えば“ジェスター”と呼ばれる宮廷道化師はサーカスでのクラウンとは一味違い、国の君主に仕える道化師であり、かつては特殊な権力と役割を担っていたと言われている。

 

ちなみにアメリカ映画などで描かれている怖ろしい道化師は大抵はクラウンという設定のため、ここでは日本的な感覚に合わせてあえてピエロと表記しているが、厳密には恐怖のクラウン映画と呼ぶべきであろうと思う。

 

ちなみになぜホラー映画にクラウンが扱われることが多いのかと言えば、西洋に蔓延る「コルロフォビア」という精神的な病、つまり道化恐怖症というものがひとつの大きな理由になっているのではないのかと考えられる。

 

関連記事ジョニー・デップが持っている、不気味なピエロの絵画の話。

 

というわけで、そんな最新のピエロ映画、いや改めてクラウン映画の中からとびきり怖そうなものを取り上げてみたい。

 

ヘインズ・ホイットモア(Haynze Whitmore)監督による『Crepitus』である。

 

Crepitus

image source : Crepitus

 

タイトルになっているこの“クルピトゥス”というのは、コツコツと鳴る音とか捻髪音(ねんぱつおん)を表す言葉だそうだけれど、日本では捻髪音なんてあまり日常的には聞かない言葉だし、ちょっと不気味な響きがある。

 

さてストーリーラインであるが、虐待的でアル中の母親との生活から逃れるために亡くなった祖父の家に引っ越すことを余儀なくされた17歳の少女エリザベスと妹のサムであったが、祖父の家には母親との生活よりも、もっと桁違いに怖ろしい恐怖が待ち受けていた、という物語。

 

その家には、クルピトゥスと名付けられた人喰いクラウンが・・・、まあこの辺にしておこう。

 

さて本作品で注目すべきは、恐怖のクラウンを演じているのがなんとビル・モーズリー(William Moseley)だということである。

 

Crepitus

image source : https://www.facebook.com/CrepitusFilm/

 

彼の代表作と言えばトビー・フーパー(Tobe Hooper)の傑作『悪魔のいけにえ』(The Texas Chainsaw Massacre)の続編、『悪魔のいけにえ2』(The Texas Chainsaw Massacre 2)であることは言うまでもない。彼は同作品の中で第一作目で死亡したヒッチハイカーの双子の弟チョップトップ役を演じている。

 

あのレザーフェイスさえも食い気味なおぞましいけれど癖になるインパクトが頭に焼き付いて離れないという方も多いのではないかと思う。あの作品の中でも趣は半ば人喰いだが、今回のクラウン映画では完全なる生粋の人喰い役を演じているようである・・・。

 

というわけで、その衝撃的に怖ろしいレッドバンドな予告編が公開されているので、道化恐怖症を患っていないホラークラウン愛好家の方は、ぜひご覧いただきたい。ちなみに予告編を観たらなんとなくタイトルの意味がわかるけれど、人喰いとか苦手な人は、観たらダメなやつですよ・・・たぶん。

 

 

 

 

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アニメーションあの名作ゲーム『悪魔城ドラキュラ』がNETFLIX限定でアニメになって蘇る、タイトルは『キャッスルヴァニア』だけどね。

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月白貉