ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ジョン・R・レオネッティ監督の“願い事”倍返しホラー『WISH UPON』、願い事のご利用は計画的に。

願い事には必ず代償あるいは代価が必要だという話は世界中に数多く存在する。

 

「どんな願いでもひとつだけ叶えてあげよう!」という魅惑の言葉の裏には、その願いと同等か、あるいは何十倍何百倍の負のパワーを持つ影が渦巻いていて、願いが叶ったその時には、その影が身に降り注ぐという話である。

 

かつて『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の中に、“カメオ”という名のスタンド使いが登場したことを思い出す。

 

承太郎たちがエジプトへ向かう途中の紅海、そのとある島に登場した、「JUDGMENT」(ジャッジメント)、つまり「審判」の暗示を持つスタンドである。

 

島で単独行動をしていたポルナレフに、願い事でお馴染みの“ランプの精”を装って近付き、「どんな願いでも三つだけ叶えてやろう!」という願い事攻撃を仕掛けてくる。ポルナレフはこれに引っ掛かり、「死んだ妹とアヴドゥルを生き返らせてほしい。」という願いを口にしてしまい・・・、あとはご存知の通りである。未読の方は名作『ジョジョの奇妙な冒険』をぜひお読みいただきたい。第三部はわりと忠実なアニメ化もされているので、そちらでもいいかもしれない。

 

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あれの元ネタはおそらく、スティーヴン・キング原作の『ペット・セマタリー』(Pet Sematary)か、あるいはその原作を映画化したメアリー・ランバート監督の『ペット・セメタリー』(Pet Sematary)ではないのだろうか。荒木飛呂彦の漫画の中には、ホラー映画へのオマージュ話が、特に第三部には頻繁に登場する。

 

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荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論 (集英社新書)

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さて、今回取り上げるのは、ホラー映画の細分化ジャンルで言うならば、そんな“願い事”ホラーな作品である。

 

様々な映画で撮影監督を務めているジョン・R・レオネッティ(John R. Leonetti)がメガフォンを握る『Wish Upon』という作品、タイトルもそのまま「願い事」。

 

Wish Upon

image source : Wish Upon Official Trailer (2017) - Broad Green Pictures - YouTube

 

物語は、ジョーイ・キング(Joey King)が演じる主人公、17歳の少女クレア・シャノンがある日、願い事を叶えてくれる魔法の力を持つ箱を手に入れるのだが・・・、というまさになお話。

 

クレアの母親は彼女が幼い頃に自殺をしているらしいのだが・・・。 

 

そして現在、本作品の公式ウェブサイトでは、自分の願い事を書き入れることが出来る。もちろんサイトに投稿された誰かの願い事を閲覧することも可能になっている。映画の内容から考えて、サイトに願い事を投稿するのはなんだか不吉なので、ぼく自身は投稿していない・・・。なおかつ誰かの願い事を見るのも、なんだか神社の絵馬を覗き見るみたいで、もし禍々しい呪いみたいなことが書かれていたら怖いので、見ていないことは言うまでもない。かつて京都に旅行に行った際に、その筋で有名な神社で絵馬を覗き見て、背筋の凍る思いをしたからね・・・。

 

もちろん願い事を書き入れてみるのもおもしろいかもしれないけれど、願い事のご利用は計画的に。

 

さてその予告編が公開されているので、願い事をする前には、ぜひご覧いただきたい。アメリカでの公開は2017年6月30日、劇中に登場する“箱”はどうやらオルゴールらしいけれど、その造形がなかなか興味深いよ。

 

 

 

 

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