ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

follow us in feedly

ジョン・ウィリアムズ、お誕生日おめでとう。

2017年2月8日、映画音楽界の巨星ジョン・ウィリアムズが85歳の誕生日を迎えた、巨星まだまだ墜つはずなし、である。

 

一日過ぎてしまったが、よい機会なので彼にまつわる思い出を語りたい。

 

ジョン・タウナー・ウィリアムズ(John Towner Williams)と言えば、誰もが知る著名な作曲家であり、特に映画音楽において、一連のスティーヴン・スピルバーグ作品、そしてジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』シリーズなどを手掛けていることでもよく知られ、またロサンゼルス、アトランタソルトレイクの計3回、オリンピックの開会式に楽曲を提供していることでも有名である。

 

STEVEN SPIELBERG & JOHN WILLIAMS

 

ジョーズ』(Jaws)、『スター・ウォーズ』(Star Wars)、『インディー・ジョーンズ』(Indiana Jones)、誰もが一度はどこかで耳にしたことのある映画の楽曲の多くは、彼の手によるものがほとんどだと言っても過言ではない。

 

STEVEN SPIELBERG & JOHN WILLIAMS

STEVEN SPIELBERG & JOHN WILLIAMS

 
John Williams Celebration [Blu-ray] [Import]

John Williams Celebration [Blu-ray] [Import]

 

 

さて、もうずいぶん昔の話であるが、ぼくは一度だけ、日本で行われた彼のコンサートを鑑賞した経験がある。

 

その頃ぼくはとある映画に関連した店で働いており、まあいつものように店番をしていると、あるひとりの整った身なりをした髭面の紳士が店を訪れた。映画的に言うと『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンが少し年を取ったようなイメージの人物だった。彼は一通り店の商品に目を通してから、ぼくの立っているカウンターにやってきてこう話しかけてきたのである。

 

「実は今度、日本でジョン・ウィリアムズのコンサートが開かれるのですが、もしよければこのチケットをお客さんに差し上げてください。」

 

ぼくは、「えっ!」と思ったのだが、彼はぼくの返事を特に聞かずに、カウンターにチケットを置くと、すぐに店を出ていってしまった。ぼくが彼の後ろ姿に向かって「ありがとうございます!」と声をかけると、ゆっくりと右手を掲げたが、振り返りはしなかった。

 

そのジョン・ウィリアムズのコンサート・チケットは5枚あって、開催日は次の日だった。もう店は閉店間近でその後の客足もまったくなく、結局ぼくは友人を誘ってそのコンサートに行ったのだが、都合の付いた友人はたったひとりだけ、次の日ぼくは仕事が休みだったので、結局残りのチケットは無駄にしてしまった。

 

さて、コンサートはもちろん素晴らしかったが、その話は省かせていただく。

 

そしてコンサートが終わり、ジョン・ウィリアムズが最後の挨拶になって、「このコンサートを影で支えてくれているぼくの親友を紹介します!」と言ってとある人物をステージ上に招き入れた。それは、前日店にやってきた髭面の紳士だったのである。

 

一体どんな経緯があって、あのチケットを雑居ビルの小さな店まで持ってきたのかはわからない。例えばもし自前でさばかなければならないチケットのノルマがあって、それが余ってしまったとしても、他に持ってゆくべきような場所は山ほどあったのではないだろうか。特に彼が店の常連というわけでもなかったのだから。

 

ただぼくは、その出来事のお陰で、幸運にも憧れのジョン・ウィリアムズのコンサートを鑑賞することが出来たのである。

 

それが、日々の映画鑑賞を別にすれば、まあやや間接的ではあるが、ジョン・ウィリアムズとの唯一の思い出と言える。

 

お誕生日おめでとう、ジョン・ウィリアムズ

 

では最後に、彼の代表作でもある『スター・ウォーズ』の予告編を。

 

 

 

 

映画世界にたった二人だけになってしまった未来を描くSF映画『BOKEH』、その時あなたは何を見つめるべきなのか。

映画A・シュワルツェネッガー主演最新作『AFTERMATH』、新たなシュワちゃん時代幕開けの予感。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

アートジョイスティックが十字架だぜ、“怒りの日”をテーマにした終末的アーケードゲーム『DIES IRAE』。 - ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

映画『時計じかけのオレンジ』のコロヴァ・ミルク・バーを、ちょっと作ってみたよ。

TVドラマ“すっげえ美味いコーヒー”が飲みたくなる『ツイン・ピークス』の名シーン、『Twin Peaks | Damn Good Coffee』が公開中だよ。

アニメーションRPGで職業選ぶなら何?っていうアニメーション『THE VOCATION』、騎士とか魔法使いとか・・・それとも。

映画ピーター・オトゥールの遺作はカザフスタン映画、完成から6年を経て公開される『DIAMOND CARTEL』がロシアの“グラインドハウス”映画っぽい。

映画ぼくと、映画。

映画ジョージ・A・ロメロ誕生日企画!『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』12時間耐久マラソン開催予定だよ。

 

 

月白貉