ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ゾンビを殺せる近未来テーマパーク映画『THE REZORT』、「ザファリ」ことゾンビ・サファリへようこそ。

もし仮に、数多のゾンビ映画で描かれているような、死者が蘇り、あるいは人間が未知のウィルスに感染して共食いをはじめるというような現象が勃発する近未来が訪れたとしたら。

 

でも人間たちは、もしそうなったとしても、そのゾンビまでも娯楽の対象として活用し出すかもしれない、嗚呼・・・恐ろしいことである。

 

今回はそんなゾンビ映画を取り上げてみたい。

 

イギリスの映画監督スティーブ・バーカー(Steve Barker)による『The Rezort』(ザ・リゾート)、このタイトルのスペリングに注目すると、「Resort」(リゾート)の「S」を「Zombie」の頭文字である「Z」に置き換えているのかな、たぶん。

 

The Rezort

image source : The Rezort (2015) - IMDb

 

つまり名は体を表すの如く、本作品は“ゾンビ行楽地”なる物語だということ、ちなみに別タイトルとして『Generation Z』と表記されている地域もあるようなのだが、まあその「Z」も同じ意味であろう。

 

そして物語の舞台となるのは、流行の最先端となっている行楽地、まあテーマパークだね、そのことを劇中では、「ゾンビ・サファリ」(Zombie Safari)、すなわち略して「ザファリ」(Zafari)と呼んでいるらしい。

 

The Rezort

image source : The Rezort (2015) - IMDb

 

で、そのテーマパークは何がそんなに楽しいのかと言えば、テーマパーク内に集められて人間に危害を加えないように管理されているゾンビたちを、レジャー感覚でハンティング、つまりは銃やらで撃ち殺せるというわけ。

 

この時点では、おやおや・・・と、ややB級C級感が滲み出てきているが、ぼくの知る限りだと過去のゾンビ映画にはない方向性であるから、ちょっと興味深い。ゲームの世界では割りとメジャーなジャンルとしてゾンビ・ゲームは存在していて、ヴァーチャルにゾンビをハンティングすることは可能であるが、実際にテーマパークとしてそんな物騒な施設が開園されても、某ネズミの夢の国のように人気を博すのかという話であるが・・・。

 

まあ本作品は例えれば、かつて名声を博し近年にもリブート作品が公開された恐怖のテーマパーク映画の名作、スティーヴン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』(Jurassic Park)のゾンビ版、恐竜をゾンビに置き換えたような作品なのだろうと思う。『ジュラシック・パーク』は恐竜をハントするテーマパークではないけれどね。

 

そういえば、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』(Dawn of the Dead)の中でも、確か溢れかえるゾンビをゲーム感覚で猟銃で撃ち殺しているようなシーンがあった気がするので、あの部分を抽出して本編にしたような感じなのかな。

 

まあ上記のことから考えて、本作品の序盤以降の流れはおおよそご想像いただけると思う。

 

余談であるが、かつて日本にある某サファリパークで、例の車に乗って放し飼いの動物の楽園をドライブするってテーマパークね、あそこで迂闊にも車から降りてしまった客がライオンに食べられたという事件があったように記憶している。

 

まあそれに当てはめれば、動物でも恐竜でもゾンビでも同じことで、そんなテーマパークを人間のエゴで作ったら駄目だろという教訓映画なのかもしれない。

 

というわけで、本作品の予告編が公開されているので、ゾンビ好きの方は是非ご覧いただきたい。ちなみに諸外国ではすでに公開済みで、米国でも2017年1月17日に主要のデジタルプラットフォームを介して公開予定だそうである。日本でも同様に2017年1月28日に公開予定だと書かれてはいるが、情報が正確かどうかは不明なので、あしからず。

 

 

 

 

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