ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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意識と飢餓の間に立つ少女の物語、謎の菌により人々がゾンビ症と化した近未来を描いた映画『THE GIRL WITH ALL THE GIFTS』。

ここ一年ほどかな、インターネットで調べることと言えば、その日の天気と料理のレシピ、そして映画の情報くらいなのだが、それだけでも一日にパソコンを睨みつけている時間が膨大となり、時々ゲンナリする。

 

いっそのこと、こういう生活から開放されて、集合的な無意識の渦の中にでも溶け込んでしまえばいいなあと思うことがある。なんだったら自由意志など捨て去り、ゾンビと化してひたすらフレッシュな肉を求めて歩き続けるような世界のほうが、現在のこの世界に比べたら幾分かマシなのではないかと、真の幸せとはそういうった世界にこそあるんじゃないのかと、真剣に考えたりする。

 

だからつまり、“ゾンビ映画”というのは、一見すると荒廃した負の世界を描いているように見えるが、あれは完全なる楽園を描いた映画だと、ゾンビ映画を観るたびに深く感じる。特にジョージ・A・ロメロ(George Andrew Romero)の初期の代表的なゾンビ映画に関して言えば、あれは世界にゾンビが溢れることによって、世界が楽園へと回帰してゆく映画だと、ぼくは考えている。

 

というわけで、朝からそんなゾンビ楽園に思いを馳せていたので、その流れで取り上げてみたい映画がある。

 

イギリスの映画監督コルム・マッカーシー(Colm McCarthy)の『The Girl with All the Gifts』という作品である。

 

本作品は、イギリスの作家M.R.ケアリー(Michael James Carey)の小説、『パンドラの少女』(The Girl with All the Gifts)を原作として製作されている。

 

パンドラの少女

パンドラの少女

 
パンドラの少女

パンドラの少女

 

 

物語は、謎の菌により多くの人間がゾンビ症と化してしまった近未来の世界。人々はその疾患の影響により、ただただ飢えを感じ肉を求めてさまよい歩くようになってしまっている。そんな中で、人類唯一の希望となっていたのは、激しい飢えにより肉は欲しがるものの、思考能力も感情も兼ね備えている、半ゾンビ症のハイブリッドな子供たちだったのである。

 

子供たちは英国の農村地帯にある軍の基地で、グレン・クローズ(Glenn Close)演じるキャロライン・コールドウェル博士によって治療及び実験を受けているのであるが・・・、というもの。

 

そしてこの物語の主人公は、タイトルを見てもわかる通り、その子供たちの中にいる一人の少女、セニア・ナニュア(Sennia Nanua)が演じるメラニーなのである。

 

The Girl with All the Gifts

image source : https://www.warnerbros.co.uk/

 

というわけで、その最新の予告編が公開されているので、お暇なゾンビ人の方は、ぜひご覧いただきたい。

 

 

 

 

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月白貉