見よ、これがデヴィッド・リンチとジョン・マルコヴィッチの融合である。 - 『Psychogenic Fugue』 -
2017年に、あのスペシャルなドラマ、デヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』が返ってくることは、皆さん、ご存知の通りだと思う。
ぼくがあのドラマに熱中していた頃は、まだVHSの時代だった。
さて、『ツイン・ピークス』の新作ってどの程度制作が進んでんのよってことであるが、本編の撮影自体はすでに終了しているらしく、全出演者のオフィシャルな発表などが行われている。当初危ぶまれていたデヴィッド・リンチの監督降板問題なども、詳細は知らないがどうやら解決しているようで、全エピソードをデヴィッド・リンチ自らが監督するようである。そしてもちろん、マーク・フロストも脚本に参加しているらしい。
よかった、本当によかった。デヴィッド・リンチが関わらない『ツイン・ピークス』なんて、塩のないスイカ、いや、醤油のない刺し身、いやいや、愛する君のいない世界のようなものであるから、まったく観る意味がない。余談だが、博多華丸・大吉の岡崎さんの名言で「刺し身は醤油を舐めるための口実ばい。」というものがあるが、それからすれば、「ツイン・ピークスはデヴィッド・リンチを観るための口実だよ。」ということになる。実に余談なので、それはさておき。
さて、そんな折、とんでもない映像プロジェクトが立ち上がっていた。
なんとあの俳優のジョン・マルコヴィッチが、デヴィッド・リンチの全作品中に登場する象徴的なキャラクターになりきるという奇妙なショート・フィルムが制作されていたのである。
ジョン・マルコヴィッチと言えば、『二十日鼠と人間』(Of Mice and Men)、『ザ・シークレット・サービス』(In the Line of Fire)、そして『マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich)などで知られる、ぼくも大好きな、一度見たら絶対に忘れない、あの独特のフェイスの持ち主である。
ショート・フィルムのタイトルは、『Psychogenic Fugue』。心因性のフーガとでも訳すのだろうか。
そしてジョン・マルコヴィッチが演じるのは、『ツイン・ピークス』(Twin Peaks)からは、もちろんFBI特別捜査官デイル・クーパーとログ・レディこと丸太おばさん、『イレイザーヘッド』(Eraserhead)からは、主人公ヘンリー・スペンサーとラジエーターの中の少女、『ブルー・ベルベット』(Blue Velvet)からは、狂気のフランク・ブース、『ロスト・ハイウェイ』(Lost Highway)からは、不気味な謎の男、そして『エレファントマン』(The Elephant Man)からは、ジョン・メリックなどなど、凄まじいほど感動のチョイスである。
もちろん、デヴィッド・リンチ自身をも、演じている。
そして、このショート・フィルムの制作はSANDROによるものである。
はい、そういうわけで、デヴィッド・リンチ愛好家にとっても、さらにはジョン・マルコヴィッチ愛好家にとっても、もはや喉から千手観音が湧き出るくらいに観たいはずである。もちろんぼくは、千手観音からの大日如来が湧き出ている。
ちなみに、この全エピソードは、Playinglynch.comにて公開されているので、今すぐにでも!
今すぐは無理だけど、もうこの刹那に観たくて耐えられない方のために、以下に予告編をご用意しているので、ご覧いただきたい。
Playing Lynch: Official trailer to Psychogenic Fugue from Squarespace on Vimeo.
いかがだろうか、ぼくがこの予告編の時点で、観音や如来とともに昇天してしまったことは、もちろん言うまでもない。
『ツイン・ピークス』の最新作まで待ち切れないあなた、このショート・フィルムを観れば、もう『ツイン・ピークス』のことなんか忘れますよと言いたいけれど、実は各種中毒と同じで、禁断症状が重症化しますので、ご利用は計画的に、自己責任でお願いします。
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月白貉