ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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地味なチャンプ目撃動画と、ネス湖の怪物の本当の正体の話。

ぼくが死ぬまでに一度は行ってみたい場所のひとつに、「ネス湖怪獣博物館」というのがある。

 

厳密には「ネス湖エキシビジョン・センター」というらしいが、たしかぼくが幼い頃はネス湖怪獣博物館って、日本では言っていたような気がするけれど・・・、何かの陰謀による記憶の塗り替えだろうか。 

 

海外旅行はこれまでに、アメリカの超絶ど田舎と、ワシントンD.C.とサンフランシスコにしか行ったことがない。しかもその時の目的はホームステイだったので、まあワシントンとシスコはそのホームステイの行き帰りに立ち寄ったおまけ程度の観光。そしてまだずいぶん若かったので、観光の部分はあまりよく覚えていない。スミソニアン博物館とかホワイトハウスとか、あとは巨大ロボみたいなデカいエイブラハム・リンカーンが座ってるところには行った記憶がある。そういえば、以前リンカーンの謎のことを書いたなあ。

 

 

あとはシスコのチャイナタウンで人生一度きりの北京ダックを食べた記憶もある。

 

ちなみにホームステイ先のアイオワ州の某田舎町は、映画の『スタンド・バイ・ミー』に出てくるような本当の田舎で、日本人が来たYO!という見出しで新聞に載ったくらいだった。

 

さて、話が明後日方向に進んでいるので軌道修正。

 

ネッシーといえば、あの知る人ぞ知る、スコットランドネス湖で目撃されたという未確認生物である。こちらも厳密には「ネス湖の怪獣 (Loch Ness Monster)」というが、日本では99%位の割合で、ネッシーという通称で呼ばれていると思う。そしてネッシーになぞらえて、日本国内で目撃情報のある湖の未確認生物はすべて、湖の名前に「ッシー」が付けられて安易に命名されてしまうのは、悪い意味で日本人的思考で嫌いである。池田湖のイッシーとか屈斜路湖のクッシーとか、挙げ句の果てにはメッシーとかアッシーとかふなっしーとか、まあ未確認生物以外にも影響を及ぼしている。

 

ネッシーに関しては、いまだに日本でも思い出したように新たなる目撃情報なんかが報道されることもあるので、老若男女問わずに有名であろう。

 

ネッシー目撃の記録は意外と古く、残されている最古の記録でいうと西暦565年、アイルランド出身の聖職者コルンバの生涯に関する伝記の中で言及されているネッシー目撃の報告である。そしてまたまた厳密に言えば、聖コルンバがネッシーを目撃したのはネス湖ではなくネス川だと記述されているようである。ちなみにネス湖とネス川は繋がっていないらしい。

 

そんでもって、その最初の目撃以来、様々な目撃情報があり、近年になってからは写真や映像などにも、その姿が捉えられている。

 

さて、じゃあこのネッシーって何なのよ、本当にいるのかよ、という話になってくるのだが、これについては非常に多くの仮説が存在する。

 

地味なチャンプ目撃動画と、ネス湖の怪物の本当の正体の話。

 

例えば一番有名な恐竜の生き残り説だとか、チョウザメ説だとか、あるいは単に特殊な季節風が引き起こす波だとか、おもしろいものだとあれはサーカス団が連れていたゾウだというものまである。ちなみにこれは余談であるが、ネッシーの目撃情報のほとんどは、近年で言えば、観光客によるものだとされていて、地元の住民や漁師などにはほとんど目撃されてはいないという話もある。

 

さて、ではぼくがどの説の支持者であるかといえば、上記のものとはまったく別の立ち位置から見た、とある説を熱く信奉している。

 

それは何かと言えば、世界で最も邪悪だと呼ばれ、また二十世紀最大の魔術師とも言われたアレイスター・クロウリーが、儀式の最中に召喚してしまった異世界の生物説である。

 

Aleister Crowley 1902 K2

 

クロウリーについて説明しだすと長くなるので、その詳細はここでは割愛するが、トート・タロットの考案者として知られ、オジー・オズボーンの楽曲「ミスター・クロウリー」のモチーフになったことでも知られる人物で、自身を魔術師エリファス・レヴィの生まれ変わりと称していた。実は彼は人生の後半、おそらくは三十代の後半か四十代くらいからかな、ネス湖のほとりに屋敷を購入して、そこで魔術の研究に没頭していたという話がある。

 

はい、感のいい方はお気付きですね。つまりその魔術研究中の儀式の際に、詳しいことは知らないが、魔法陣かなんかを描いて、ムニャムニャと呪文を唱えている最中に、うっかり呼び出してしまったモノがいて、それがビヨ〜ンと外に出てしまって、ネス湖周辺で目撃されていたというものなのである。とある筋の話によれば、召喚されたのは何らかのエネルギー体だとも言われているし、一方ではクトゥルー神話に出てきそうなタコのような巨大な怪物だったとも言われている。

 

ぼくはその話を本で読んだ際に、「あ〜、なるほどなあ!」と思ってしまい、その日からずっと、「ネッシークロウリーが召喚しちゃったやつだよ。」と、周囲の人々には説明することにしている。

 

事実は小説よりも奇なりではないが、いちばん荒唐無稽な話が、実はもっとも真実に近かったりするのが、世の常である。

 

さて、最後になるが、つい最近、ネッシーの親戚的な未確認生物、アメリカのニューヨーク州バーモント州の境にあるシャンプレーン湖に棲息しているといわれている、チャンプという奴の最新目撃映像がYouTubeにアップされたというので鑑賞してみた。

 

実はチャンプは、実在の可能性が非常に高い未確認生物のひとつとされていて、割りとちょいちょい目撃情報がある。

 

というわけで、四の五の言わずに是非ご覧頂きたい。

 

 

いかがだろうか、非常に、地味である。「ゴミが浮かんでるだけじゃねえのかっ?」というツッコミもやむを得ない。もっとガバ〜っと出てきてカメラの前を横切ったり、カメラをぶっ壊したり、人間の死体を咥えていたりしたら、「わあ〜、チャンプだっ!」てなことになるだろうけれど。

 

ただまあ未確認生物愛好家のぼくからすると、こういう地味で微妙な目撃動画こそ、なかなか信憑性があって、かつミステリアスで非常に好感が持てる。近年の、いわゆる衝撃映像とかなんとか言われているスクープ映像は、あまりにも技巧が凝らされすぎていて、明らかにフェイクが見え見えで、ずいぶんと萎える。

 

それに比べるとこのチャンプの映像は実にシックであり、若干地味ではあるが、こういうものこそ目撃映像ではないかと、ぼくは思うのである。

 

というわけで、もし近所の池に怪しげな未確認生物が出た際には、ぜひ情報をお寄せください。まあお寄せいただいても、「はああ、なるほどなあ。」という感想を述べる程度ですが。

 

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月白貉