iPhone4Sじゃ、ポケモンGETできないぜ!ぇいぇいぇいぇいぇいぇいぇ〜。
いまこの刹那、世の中はどうやら、兎にも角にも「ポケモンGO」らしい。
ポケモンの存在は、ずいぶん前から、たぶん登場した直後から知ってはいたが、いままでまったくポケモンに関わらずに生きてきたぼくは、いまさらゴーなのかジー・オーなのかさえも、よく把握していない。
でもなんだか、出雲大社がどうだとか、鳥取砂丘がああだとか、豊見城市の宜保晴毅市長がこうだとか、やはりすべてポケモンGOらしい。
そんなわけで、そのポケモンGOって何さ?ということを、誰かにポケモン無知を指摘される前にこっそり把握しておこうと思って、調べてみると、どうやらアプリらしい。ぼくはてっきり、そしてうっかり、3DSあたりでリリースされたソフトかと思っていた。かつてまだ若かりし頃、毎日DSを抱えながら仕事場に赴き、「おいでよ どうぶつの森」なんかやっていたこともあったので、そんな感じのすれ違うやつかなあ、などと、勝手に想像していたが、なんとアプリだった。
なんだアプリだったら話が早い、と思って、百聞は一見にしかず、さっそくダウンロードしてみることにした。
ポケモンGOのダウンロードを終えてアプリを起動すると、まず誕生日を入力しなければならない。
ぼくはこの手の個人情報取得系が面倒くさいし嫌いなので、大抵は嘘の誕生日を入れることにしている。そのために後で有事の際の認証で、入力した誕生日がわからなくなって困ったことは数知れず。だが懲りずに、今回もまったく見ず知らずの、嘘の誕生日を入力する。時折どこぞのサービスから、「お誕生日おめでとう!」などという素っ頓狂な内容のメールが届いて首を傾げるが、それは自業自得だろと、後から思い出すことになる。
ちなみに、これは後から知ったことだが、誕生日入力は、このアプリ使用時の年齢制限に関わりがあるらしい。
さて、嘘の誕生日を入力して次の画面に進むと、どうやらアプリにログインするためにはアカウントを作る必要があるらしい。Googleのアカウントを持っていればそれを利用することも出来るようだが、ない場合には新規に「ポケモントレーナークラブ」なる怪しげな秘密クラブの会員にならなければいけないらしい。こういうものに加入するのもやはり嫌いなのだが、ここは避けては通れない関門なので仕方なく登録画面に進むと、これは勝手にブラウザの方に飛ばされて、まあ飛ばされるのはSafariなのだが、五分も十分もずっと読込中で、登録が一向に進まない。
しびれを切らしてPCの方で調べてみると、どうやらPCでもそのポケモントレーナークラブというやつに入会できるようなので、そちらで事を済ます。
さて、いよいよポケモンGOに突入の時がやって来た。
さきほど登録したIDとパスワードを使って、アプリにログインすると、まずはチュートリアルのようなものが開始される。
見知らぬおっさんが出てきて、こんにちはだの、ようこそだの、お前のニックネームはなんだのと、いろいろ話しかけてきて、まあこれはプレイした方々はもちろんご承知のとおりである。そんでもって、この世界はポケモンだらけだから捕まえてみろよこの野郎的なことを言われて、目の前に出てきた一匹目のポケモンを例のボールに入れるわけだ。たまたま通りかかった川沿いにカメのような奴がいたので、言われたとおりにボールを投げる。
さてここで、気にかかったのが、アプリ起動時もそうだったのだが、ずいぶんと時間がかかるし、動きが非常に遅い。起動には五分やそこらかかったのではないかと思う。いつ起動すんだかと思って、ポケットに入れて歩いていると、いつの間にかおっさんが現れて立ち話を始めていた。そして、もっている端末が、異常に熱を持ち始めている。
ここで、皆さんに発表することがあるのだが、ぼくの端末はiPhone4Sである(2016年7月末日現在)。
さて、カメみたいなやつをゲットして、じゃあ、あとは自分で好きにやれよ、じゃあな!みたいなことを言われた途端、唐突にアプリが落ちてしまう。なんだなんだ、チュートアルの次は強制終了というドSな突き放し仕様か、さすが年齢制限があるだけのことはある!と思ったが、仕方ないので、再び起動するとローディング画面に。
しかし、そこから一歩たりとも進まない。十分たっても二十分経っても、その画面から先には進まなくなる。日本中がポケモンGOだポケモンGOだと、ええじゃないか騒ぎのように言っている最中なので、回線が混み合っていてどうにもならない、とか、そういう理由なのかとも思うのだが、それからもう、何度再起動を繰り返しても、煮ても焼いても鉄砲で撃っても、ロード画面。もう好きにしやがれと思って、ロード画面の状態で放置して二時間が経過している。
放っておいたiPhone4Sを見てみると、ポケモンGO、まだまだロード画面である。
そしてiPhone4Sが、沸かしたてのヤカンかと思うほど熱くなっている。これは、世間のポケモンGOええじゃないか混雑とは何の関係もない、単にぼくの端末が過去の遺物すぎて、おいてけぼりにされているだけかもしれないなと、そう薄々、気付く羽目になる。
きょうはポケモンGETだぜ!と、あまり意味も知らず叫んでいた直後の仕打ち、かなりなヌカ喜び具合もあって、その瞬間の気落ちは半端無かったのだが、しかたなく諦めて、歌を歌いながら小雨降る中、iPhone4Sを左手で虚空に浮かばせながら、帰路についたのであった。
というわけで、ぼくはまだまだ、ポケモンGOの片鱗さえも把握できないでいるし、最初のチュートアルのおっさんは、ゴーなのかジー・オーなのかすら教えてくれずに、闇の中へ消えていったので、結局、ポケモンGOって何さ?という話である。しかし、きょうのポケモンGOとの長時間に渡る格闘の末、ただひとつだけ、経験としてわかったことがある。
iPhone4Sじゃ、ポケモンGETできないぜ!
ぇいぇいぇいぇいぇいぇいぇ〜。
コンチクショウっ!
月白貉