ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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中目黒ドリーミー

おかしな夢を見て、まだ暗い早朝に目が覚めたので、散歩に出かけてみる。

 

朝六時台にも関わらず山手線が鮨詰めの東京。

 

冬の朝は気持ちがいい、太陽の光と冷えた空気と蜘蛛の巣にあふれている。

 

めっぽうやたらと写真を撮りながら見知らぬ街をあてもなく歩く。

 

おじいちゃんが営む小さなパン屋で、メンチカツパンとサラダパンを買う。メンチカツパンがおいしい店は、たいてい何でもおいしい。サラダパンにはポテトサラダとゆで卵がいる。

 

歯が抜ける夢を見るときは、何かが成長する兆しだと教えてもらう。じゃあ、歯なんか全部抜け落ちてしまえばいいと思う。本当は怖いからいやだ。今日の朝は楽しい。朝が楽しい日は、一日中楽しいに決まっている。

 

だってもしそうじゃなければ、この世界に救いなんてない。

 

歯抜けのじいさんもばあさんも、後ろ足が二本の猫も、ケチャップが緑色のホットドックもない。

 

どうか今日一日、歯が抜けませんように。

 

そして夢では歯抜けになりますように。

 

中目黒ドリーミー

 

 

 

 

月白貉