ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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ファンコのアクション・フィギュア、「リ・アクション」シリーズがすごい!

もう十数年前になるけれど、ぼくはアメリカ映画に関連するおもちゃを、ずいぶんとたくさん蒐集していたことがある。

 

メインは「スター・ウォーズ」(Star Wars)のハズブロ社製ベーシックフィギュアだったのだが、

 

グレムリン」(Gremlins)、「エイリアン」(Alien)、「ターミネーター」(Terminator)などなど、目に映って欲しくなったおもちゃを必死で買い集めていた時期がある。無駄遣いとまでは言いたくないが、たいしたお金も持っていないのに、そのなけなしのお金をずいぶんと注ぎ込んでいた記憶がある。ある意味では蒐集癖という名の病気の域だったのかもしれない。

 

まあその病的な蒐集癖もよくよく考えれば、大人になってから急に発動したものではもちろんなく、ぼくはずいぶんと幼い頃から、そういった傾向を強く持っている人間だったのだろうと思う。深い泥土に沈み込んだ幼少期の記憶の中には、ずいぶんとたくさんの物欲の影がゾワゾワと蠢いているような気がしてならない。ただここ数年に関して言えば、何かを欲しいとか、何かを手に入れたいとかいう蒐集の欲求は思いの外少なくなったと自負してはいる。

 

先日久しぶりに帰郷した際、実家の横に建てられた物置用のプレハブの中に、ぼくの集めたとんでもない数のおもちゃが、母の勝手なカテゴライズによってダンボールに区分けされ、そのダンボールがギュウギュウと言いながらプレハブ内を埋め尽くしているのを見て、いろいろな意味で少しだけゾッとした。

 

東京の狭いワンルームのアパートに暮らしていた頃には、もちろんそのおもちゃのすべてが六畳ほどの部屋の中に、飾り棚から壁から天井から、さらにはキッチンやトイレに至るまでひしめき合ってディスプレイしてあって、さながらどこぞの輸入専門のおもちゃ屋のような様相を呈していた。ぼくの部屋を訪れた人は必ず「ワオ!」と声を上げて、商品を物色するみたいにして部屋の中を長い時間かけて眺めていたものだ。

 

まあ時々今でも、インターネット上などでそういった映画関連のおもちゃなんかを見かけると、「ウググググ」となって喉から少なくとも六本ぐらいは手が出てきそうになってしまうが、今のところ蒐集癖の再発には至っていない。

 

けれど、去年の暮れにやってきた「スター・ウォーズ」の新作祭りなんかが勃発して、多くの会社がこぞってスター・ウォーズのグッズなどを発売しだしたりすると、やはりついつい禁断症状的に欲しくてたまらなくなってしまうこともある。スター・ウォーズの新作公開記念でウェブログのヘッダーを新調するくらいなので、スター・ウォーズ病の度合いも併せてご理解いただけるかもしれない。

 

 

例えばその時期、トミカのシリーズとして発売されたAT-AT(スノー・ウォーカー)の存在を知り、何度となくAmazonの購入ボタンを押してしまいそうになったが、どうにかこうにか乗り越えた。

 

 

そんなぼくが、最近知ったあるおもちゃの存在に、ちょっとだけ心を揺り動かされている。

 

米国の玩具メーカー「ファンコ社」(Funko)からリリースされているアクション・フィギュアのシリーズ、「リ・アクション」(ReAction)である。

 

この「リ・アクション」は、ハリウッドの往年の名作映画の中から、ごくごくマニアックな視点で作品をチョイスし、

 

「この映画のアクション・フィギュアが公開当時にその年代のクオリティーで実際に発売されていたら、こんな感じだよね!」

 

というようなコンセプトの下、あえてバリバリのレトロテイストな造形で制作されている、ブリスターパック入のアクション・フィギュアなのである。これがなんともダサかっこよい仕上がりになっていて、かつその映画作品のチョイスも絶妙で、激しく心躍るものなのである。

 

アクション・フィギュア自体の造形、そしてブリスターパックのデザインを見る限りでは、おそらくかつてのケナー社製フィギュアを想定してのものだと思うのだが、そんなものを見せられてしまって、なんだか病気再発寸前の昨今なわけである。

 

例えば、すでにリリース済みのラインナップをぼくの個人的趣味の視点で幾つか上げてみると、

 

ジョン・カーペンターの「ニューヨーク1997」(Escape from New York)に登場するスネーク・プリスキン。

 

こういう渋い映画のチョイスこそがとても素晴らしい。

 

 

みんな大好き地球外生命体映画の名作、ジョン・マクティアナンの「プレデター」(Predator)はもちろんラインナップされている。

 

贅沢を言えば、ほんとうは特殊部隊のフルメンバー、主役のアラン・"ダッチ"・シェイファーをはじめ、ジョージ・ディロン、マック・エリオット、ブレイン・クーパー、ビリー・ソール、ホルヘ・"ポンチョ"・ラミレス、リック・ホーキンスなどがあったら大興奮であることに間違いはないだろう。もちろんそれぞれが使用する固有の装備付きであることは必須条件、ブレインの巨大なミニガンなんか付属していた日には嬉しくて気絶するであろう。

 

 

SF映画の傑作、ジェームズ・キャメロンの「ターミネーター」(The Terminator)も当然ある。

 

T800とサラ・コナー、カイル・リースのコートにいたっては布製という高級仕様になっている。

 

 

そして「ターミネーター2」(Terminator 2 : Judgment Day)のキャラクターもある。

 

ジョン・コナーと戦闘訓練を受けたワイルドなサラ・コナー、そしてT1000もバージョン違いで数種類、ラインナップされている。

 

 

 

わが愛する冒険活劇、リチャード・ドナーの「グーニーズ」(The Goonies)からはグーニーズのフルメンバー、マイキー(マイケル・ウォルシュ)、マウス(クラーク・デヴリュー)、データ(リッキー・ワン)、チャンク(ローレンス・コーエン)に加えて、スロース(ロトニー・フラッテリー)が堂々のラインナップ。

 

こちらも贅沢を言えば、ほかにもフィギュアにしてほしいキャラクターが山ほどいる。フラッテリー一家フルメンバー、片目のウィリーとかチェスター・コパーポット卿、あとはロザリータとか、なんだったらシンディー・ローパーなんかあったら最高であろう。

 

 

 

クエンティン・タランティーノの最高傑作、「パルプ・フィクション」(Pulp Fiction)からも個性派揃いの豪華なラインナップ。

 

ミア・ウォレス、ヴィンセント・ベガ、ジュールス・ウィンフィールド、マーセルス・ウォレス。やはりヴィンセントとジュールスは必須アイテムである。

 

 

他にもブッチ・クリッジ、ザ・ウルフ、タランティーノが演じるジミーやラバースーツの男までもラインナップされている。

 

 

2015年に記念すべき年を迎えたこの映画、ロバート・ゼメキスの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(Back to the Future)もある。

 

マーティー・マクフライと、ドクことエメット・ブラウン、ジョージ・マクフライとビフ・タネンのジャンク加減がなかなかイカしている。

 

 

 

映画のフィギュアとしては王道とも言えるリドリー・スコットの「エイリアン」(Alien)、これに関してはもうよだれが止まらなくなる!

 

イメージ写真以外にもラインナップされているキャラクターはあるのだが、サミュエル・ブレットとデニス・パーカー、そして猫のジョーンズは残念ながら入っていない。

 

 

ぼくが何度となくテレビの映画番組で日本語吹き替えバージョンを観返した「ベスト・キッド」(The Moment of Truth / The Karate Kid)もある 。

 

ダニエル・ラルーソーとミヤギさん、コブラ会を束ねるジョン・クリースまであるところはさすがのチョイス。ミヤギさんにはなんと盆栽が付属している、素晴らしい。

 

 

驚きのマーティン・スコセッシ、「タクシードライバー」(Taxi Driver)に登場するトラヴィス・ビックル

 

名シーンには欠かせない二丁の拳銃もしっかり付属している、いやはや。

 

 

リュック・ベッソンの代表作、「フィフス・エレメント」(仏題:Le Cinquième élément、米題:The Fifth Element)もある。

 

主人公のコーベン・ダラス、リー・ルー、そしてゾーグ。例のゾークの武器もしっかり付属しているよ、かっこよい!

 

 

他にもルービー・ロッドとかディーヴァ・プラヴァラグナ、マンガロワ人もあるところなどは蒐集心をひどく擽る。

 

 

映画フィギュアの王道の王道、ぼくも大好きなジョー・ダンテの「グレムリン」(Gremlins)は、まあ当然のごとくラインナップされている。 

 

ギズモとストライプについては数バージョンあるらしいが、主人公のビリー・ペルツァー以外にも、もう少し登場人物を出してほしい感はある。発明家である主人公の父のランダル・ペルツァーとか、あとはやはりモグワイの主人だった謎の中国人とかね。

 

 

こちらもテレビの映画番組で何度となく観返した、スティーヴン・スピルバーグの「ジョーズ」(Jaws)。

 

マーティン・ブロディ、マット・フーパー、そしてヤサグレ漁師サム・クイントがラインナップ。もちろん、この映画ではある意味主役のジョーズはまあ必須アイテムだろうなあ。ジョーズには例の重要な酸素ボンベが付属している。

 

 

まさかのデヴィッド・フィンチャー、「ファイト・クラブ」(Fight Club)までもがある。

 

主人公のぼく、タイラー・ダーデン、そしてマーラ・シンガーのラインナップ。タイラーには上半身裸バージョンがあるらしいのだが、まあ正直いうと、個人的にはちょっと地味すぎてあまり欲しくはない・・・残念ながら。

 

 

そしてこれは注目すべき、ぼくの大好きなホラー映画シリーズも充実のラインナップなのである!

 

エルム街の悪夢」(A Nightmare on Elm Street)のフレディ・クルーガー、「13日の金曜日」(Friday The 13TH)のジェイソン・ボーヒーズ、そして「ハロウィン」(Halloween)のマイケル・マイヤーズ。ホラー映画愛好家としては、これは欲しい、欲しくてたまらない。

 

 

他にも「ヘル・レイザー」(Hellraiser、イギリスではClive Barker's Hellraiser)の魔道士ピンヘッド、「スクリーム」(Scream)のゴーストフェイス、そしてなんと「悪魔のいけにえ」(The Texas Chain Saw Massacre)のレザーフェイスまでもがラインナップ、どうやらその他にも数種類あるようだが、このフィギュアを部屋にずらりと並べたら壮観であろうなあ。

 

 

さて、ここで紹介したもの以外にも、「リ・アクション」にはクールチョイスなマニアック映画のアクション・フィギュアが実に多いのであるが、最後の最後に、ぼくが個人的にこの「リ・アクション」の中で一番注目し、今これを買わなかったら一生後悔するだろうと思った映画アクション・フィギュアがある。

 

それはもちろん、皆さんご存知、ジョン・カーペンターの名作、「ゴーストハンターズ」(Big Trouble in Little China)である。

 

このフィギュアの存在を知った瞬間には、雷雨の中で天を仰いで「なんてことだ!!!」と絶叫してしまったほどである。ラインナップはと言えば、カート・ラッセルが演じる主人公のジャック・バートン、ヒロインのグレイシー・ロウ、そして悪の魔術師デビッド・ロウ・パン、しかしぼくが喉から手が出るほど、あるいは足まで出るほど欲しくて仕方がないのはこの三人ではなく、他にある。

 

 

勘のよい方はもうお気付きであろう、ぼくが欲しているのは、サンダー、レイン、ライトニング、そう、あの「嵐の三人組」なのである。思えばこの三人に心を奪われのは、ぼくがまだ小学生の頃だった。まさかこの三人のアクション・フィギュアが発売されていたとは!しかしどうやら、思うことは皆同じ、このフィギュアはめっぽう人気があってどこも在庫切れのようである・・・なんてことだ。

 

まあ、そんなこんなで、三つ子の魂百までとはよく言ったもので、ぼくの蒐集癖も息を潜めているだけで、いまでも体の奥底でグルグルと渦を巻いているようである。

 

そんな「リ・アクション」との出会いを綴った、ある冬の日の話である。

 

嵐の三人組、ほしいなあ・・・。

 

お題「マイブーム」

 

お題「何回も見た映画」

 

お題「ついつい集めてしまうもの」

 

 

 

 

月白貉