ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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1匹でも地球に来たら、会社も人類もなくなるわ! -『エイリアン2』(Aliens)

映画の続編というものは、往々にして一作目よりも遥かにつまらないものになっている場合が実に多いような気がするのは、決してぼくだけではないであろう。

 

まあその一番の原因はと言えば、監督をはじめとする制作スタッフやキャストがガラリと変わってしまって二作目を製作するケースであろう。一作目のヒットに乗じて、勢いで続編製作が決定したものの、一作目の監督も出演者もそれに賛同できずに降板してしまい、いわゆる二番煎じ三番煎じ的な映画にしかなりえなくなるパターンである。まあ上層部のお偉方の意向やなんやらかんやらといった大人の事情の為に作ったはいいが、とんだポンコツ映画が出来上がってしまうという悲しい結末である。

 

その反対にごく稀にであるが、続編も一作目に比べてなんら見劣りがしない、あるいは一作目を遥かに超えておもしろい仕上がりになっているケースを見かけることもある。

 

例えばシリーズを一貫して同監督と同キャストで製作しているものに関しては、ある程度のクオリティーを保つことは可能だと思う。ただ、たとえば近年でいうところの「ロード・オブ・ザ・リング」(The Lord of the Rings)シリーズなどのような三部作とか四部作とかいった最初から続編ありきで製作されているものに関しては、ここで語るべきものではないだろうとぼく個人的には感じる。フランシス・フォード・コッポラの「ゴッドファーザー」(The Godfather)シリーズなんかも、その部類だと言えるだろう。

 

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まあそんなわけで、ぼくの所蔵する映画ソフトの中でも、そんなものを引っ張り出してきて、細分化ジャンルとくっつけてみることにしようかと思いつつ、あれこれ探してみる。ちなみに映画のおもしろいとかつまらないとかは、個人の価値観や趣味嗜好によって大いに意見が別れるところであるため、ごくごく個人的な判断であることはご了承いただきたい。

 

さて、わりと有名どころで言えば、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」(Star Wars Episode V The Empire Strikes Back)などは、まさに続編の名作じゃないだろうかと思う。

 

 

ちなみに「スター・ウォーズ」シリーズの過去六作品は、すべて御大ジョージ・ルーカスが監督しているようなイメージが強いが、「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」と「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」(Star Wars Episode VI Return of the Jedi)に関しては、別の監督がメガフォンを握っているのは言うまでもない。そしてやはり初期三部作の中では、「帝国の逆襲」がいちばんよく出来ているのではないかと個人的には思う。監督はアーヴィン・カーシュナーが務めている。

 

アーヴィン・カーシュナーと言えば、ぼくの中では何といっても「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(Never Say Never Again)であるなあ。

 

 

ちなみに「ジェダイの帰還」(どうしてもぼくの頭からは「ジェダイの復讐」が離れない、翻訳が間違えていたのは仕方ないとして今さらねえ・・・、それで押し通せばいいのに)の監督は、リチャード・マーカンドである。

 

もちろんルーカスが監督した記念すべき第一作目である「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」(Star Wars Episode Ⅳ A New Hope)も、後期三部作に比べればすっごくよくできているし、おもしろいはおもしろいけれど、「帝国の逆襲」はそれを超えちゃった感が強いなあ。

 

 

さて、うっかりチョイと触れてしまった「スター・ウォーズ」はさわりだけにして、本命の地球外生命体映画からの続編チョイスといってみたい。

 

というわけで続編なのによく出来ていてかつ、地球外生命体映画の名作、「エイリアン2」(Aliens)を取り上げてみたいと思う。

 

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その前に少しだけ余談であるが、地球外生命体映画はさらに二つに細々分化することが出来るなあと下らないことが気になりだした。地球外生命体映画というと、いちばんに思うのが「地球外生命体が地球にやってくる」というイメージだが、もう一つのケースとしては、「地球外生命体の惑星、あるいは地球以外の惑星に地球外生命体がいるぞ」というものがある。そうなるとこの「エイリアン2」は、後者のジャンルに入ってくるわけである。仮に「地球外生命体映画(地球外遭遇型)」とでもしておこう。ちなみに前者に関しては仮にだが「地球外生命体映画(地球襲来型)」か、敵対的でない場合にも備えて「地球外生命体映画(地球来訪型)」などとも言えるだろう。

 

下らない話にそれたので先を急ごう。

 

エイリアン2」は1986年に公開されたアメリカのSF映画で、前作であるリドリー・スコットの「エイリアン」に勝るとも劣らない名作地球外生命体映画である。

 

監督はご存知ジェームズ・キャメロン、キャメロンといえば「殺人魚フライングキラー」(Piranha II: Flying Killers)の話をしたいところであるが、再び話が横にそれるので今回は言及を差し控えよう。さて仕切りなおしてキャメロンの代表作といえば、やはり「ターミネーター」(The Terminator)であり、近年でいうならば「アバター」(Avatar)であろうと思う、どちらも名作SF映画である。

 

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この「エイリアン2」は前作とは打って変わって非常にアクション性の強い作品となっていることが特徴で、登場人物もずいぶんと増加している。前作との時間的なつながりに関して言えば、あの「エイリアン」の後の物語であり、いわゆる忠実な続編というスタンスで描かれている。もちろん前作の主人公であるエレン・リプリー役のシガニー・ウィーバーも再び主人公として出演している。そして前作に引き続き登場しているキャストといえば、もうひとり、リプリーのペットである猫のジョーンズである。前作「エイリアン」においては、映画内でジョーンズを演じている猫は実際には全部で四匹いるそうであるが、この「エイリアン2」に登場するジョーンズが果たして前作に出演していた同じ猫かどうかは定かではない。

 

さてこの「エイリアン2」がいったいどんな話かということを、薄口上等でご説明すると、

 

えっ!?あの惑星に植民地作っちゃったの?マジかよ!(リプリー談)という話である。

 

そして物語もさることながら、この映画には実に個性豊かな登場人物が多く登場していて、ちょっとだけ内容に触れると、今回リプリーと行動を共にするのが植民地海兵隊という設定になっているため、その登場人物たちの多くが軍人なわけである。そして彼らのやり取りや会話がこの映画の一つの見所にもなっている。

 

主要なところで何人かあげてみると、同監督の「ターミネーター」でも準主役をはっていたマイケル・ビーンが演じるドウェイン・ヒックス、「プレデター2」では新米刑事ジェリー・ランバートを好演していたビル・パクストン演じるウィリアム・ハドソン、そして同じくキャメロン監督の「ターミネーター2」ではジョン・コナーの里親役として出演していたジェニット・ゴールドスタインが演じるジェニット・バスクエス、他にも士官のゴーマンやら軍曹のエイポーン、そしてバスクエスと共に巨大な重火器を装備しているドレイクなどなど、全員あげていたらきりがないので、この辺にしておくが。

 

最後にやはりこの映画でぼくが最も注目するのは、アンドロイドのビショップ役を演じているランス・ヘンリクセンであろう。

 

劇中のそのインパクトと担う役割においても最重要人物(人じゃないけれど)に他ならない。このビショップは、後に続く「エリアン」シリーズ含めクロスオーバー作品にも大きな意味を持ってくるのだが、それはまた別の機会にでもお話するとして、ぼくはこのランス・ヘンリクセンその人こそがとても好きな俳優のひとりなのである。

 

前述したジェームズ・キャメロンの「ターミネーター」、ご存じの方も多い映画だと思うが、当初あの映画のターミネーター、いわゆるT800役は、このランス・ヘンリクセンが候補にあがっていたことは有名である。ちなみに実際にT800役を演じたアーノルド・シュワルツェネッガーは、マイケル・ビーンが演じているカイル・リース役を望んでいた。もしその配役で「ターミネーター」が製作されていたら随分と違ったイメージの映画になっていたであろう。ただぼく個人的にはランス・ヘンリクセンほどアンドロイドやサイボーグにピッタリの俳優はいないと思っているので、あるいはもっと素晴らしい作品になっていたかもしれない。残念ながらT800役を逃したランス・ヘンリクセンが実際に劇中で演じたのは、なかなかのチョイ役、ハル・ブコビッチという警部補の役であった、実に残念無念。

 

The Terminator Funko Reaction 3.75

The Terminator Funko Reaction 3.75" Action Figure Sarah Connor

 

 

余談ではあるが、T800の正式名称は「Cyberdyne Systems Model 101 Series 800 Version 2.4」である。

 

The Terminator Funko Reaction 3.75

The Terminator Funko Reaction 3.75" Action Figure T800

 
The Terminator Funko Reaction 3.75

The Terminator Funko Reaction 3.75" Action Figure T800 Endoskeleton

 

 

ターミネーター」の話題に触れる度にこれが言いたくて仕方がなくなる病にかかっているのでご容赦頂きたい。

 

さてランス・ヘンリクセンのことをもう少し語りたいところではあるのだが、

 

例えば彼の代表作であるテレビドラマシリーズ「ミレニアム」についてのことなど、

 

ただそろそろだいぶ文章が長くなってしまったので、最後のコーナーにサクッと移ってお開きとしたい、いやはや残念。

 

 

というわけで、この映画でぼくが好きなシーンはといえば、やはりベタではあるが序盤のシーン、遊び半分の海兵隊員に向かってリプリーが啖呵を切る件であろうなあ、あのシーンは何回観てもスカッとしてよいシーンである。

 

ちなみに好きなシーンとは別の話なのだが、ある時、知り合いと一緒にお酒を飲みながらこの「エイリアン2」を鑑賞していた際、最後の名シーンであるかのパワーローダー登場シーンにおいて、「エイリアン2」初体験の知り合いはなぜか吹き出して大爆笑していた。

 

いやいやいやいや、ここ笑うシーンじゃないから。

 

映画の観方もいろいろである。

 

お題「何回も見た映画」

 

 

 

 

月白貉