ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

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更かし夜

窓に顔を近づけたら、外の涼しさが窓越しに漂っていて心地よい。

 

ここに引っ越してきてから毎日眺める、四角くてクリーム色の給水塔、遠くのマンションの切れかけた非常灯、いつもどんより灰色の空、もう死んでしまったもしゃもしゃのコロコロ猫、まだ生きている耳つんつんのビクビク猫、みんな夜の中。

 

夜はいつでも昼間より少し涼しくて、少し暗くて、少し静か。夜は昼とは違う世界だからかな、少し違うところがたくさんある。まだ起きているうちは、夜は少しゆっくり流れている。だから少し考え込む。でも、寝ちゃうと、昼よりずっとずっと早く流れて、いつの間にか昼。

 

ぼくが寝ても少し待ってよ、夜。

 

たぶん寝ないで起きていたら、夜はずっと夜のままだね。じゃあ、寝ない。ずっと寝ないで起きていよう。そしたらずっと夜のまま。昼なんてもうこない気がする。昼だって、いい所はたくさんあるけど、夜には敵わない。昼には明るすぎて見えないものが、夜には全部見えるもの。でも、もうすごく眠い、眠い眠い眠い。夜がずっと続かないように、みんなにかけられた魔法のせいだ。くそっ、魔法め!たぶん、ベットに寝転がって、一瞬でも目を瞑ったら、もう夜じゃない。そんなのまったくずるい、やだやだやだ、でもすごく眠い。ねむいねむいねむい、くそっ、魔法め!いつか、魔法にうちかって、ずっと夜が続きますように。

 

おやすみなさい。

 

 

 

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月白貉