ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲が自らの感覚で日本を歩きまわって見聞を広めたように、故郷を離れて旅を続けるぼくが、ぼくの感覚でその土地を歩き回って、見たり聞いたり嗅いだり触ったりした、ぼくの見聞録です。

サンコタケ(Pseudocolus schellenbergiae)- 松江城マッシュルームマップ

オスマン・サンコンはいま何をやっているんだろう、と先日ふと思った。

 

まだぼくがずいぶん若かりし頃に、たしか「笑っていいとも!」の出演をきっかけにタレント活動をはじめて、つい最近まで各種バラエティーなどでよく見かけていたように思うのだが、数年前からぼくはテレビを一切観なくなったので、その後のサンコンさんの動向を知らないのである。

 

サンコンさんといえば、やはり「1コン、2コン、サンコン!」というギャグと、どんなにイジられようとも笑顔を絶やさないというイメージが強い。

 

ぼくはテレビでサンコンさんを見るたびに、バカみたいに振舞っているけれど、彼は頭が良くてすごい真面目で優しい人なのであろうなあと思って意外と好感を持っていた。

 

ギニアにいる時には視力が6.0だったけれど日本に来たら1.2まで下がったとか、とある葬儀に参列した焼香の際に勘違いして抹香を食べてしまったとか、数々の逸話もなかなかおもしろかったあのオスマン・サンコンは、いまでも元気でやっているのだろうか。

 

さて、ここからなんとかきのこの話に持ってゆかねばならないのだが、今回はどちらかと言えば、無性にサンコンさんの話がしたかったので、サンコンさんありきで、きのこをチョイスしてみたのである。

 

というわけで、今回のハンティングきのこは「サンコタケ」である、無理矢理ではあるが。

 

松江城マッシュルームマップ - サンコタケ - 

 

アカカゴタケ科サンコタケ属のきのこで、学名を「Pseudocolus schellenbergiae」、漢字で書くと「三鈷茸」である。

 

サンコタケの幼菌は写真の奥にぼんやりと写っているように白色の卵型をしており、その径は1cmから2cmほどである。その卵のような幼菌が熟すると裂開し、中から上部に三本の腕をもつ(三本以上の腕を持つ個体もあるらしい)御大が登場する。その三本の腕で悪臭のグレバをガッチリと抱えたその容姿は、お世辞にもかわいいとは言いがたい不気味なものである。

 

以前に同じアカカゴタケ科の「カニノツメ」というきのこをご紹介したが、

 

見る角度によってはカニノツメによく似ている。しかしカニノツメは二本の腕であったのに対して、サンコタケは三本の腕でグレバを抱きかかえている。悪臭グレバの詳細に関してはカニノツメの記事に詳しいので、そちらをご覧頂きたい。

 

 

和名の「サンコタケ」の由来についてであるが、もちろんオスマン・サンコンとはまったく関係がない。

 

前述したように漢字では「三鈷茸」と書くことから、その容姿も含めて勘のよい方はもうすでにお気付きのことであろうが、このきのこの形が「三鈷杵」、つまり密教チベット仏教の法具である金剛杵の一種に似ていることから、その名にちなんでサンコタケと呼ばれている。写真の個体に関しては卵から飛び出たばかりで全容を現していないためわかりづらいとは思うのだが、確かによく似ているのである。

 

「三鈷杵ってどんな形なのよ!?」とお嘆きのあなたは、今すぐに仏具店に走って確認していただきたい。

 

さて、サンコンさんのことが書きたいだけでチョイスしたこのサンコタケであるが、外国人タレントの中でも、きのこになんとかつなげられる名前を持つのはサンコンさんくらいなものではないだろうか。そういう意味でも貴重な人物であることは言うまでもない。

 

さてここまで読んでいただいて、

 

オスマン・サンコンってだれよ?」とお悩みの方は、

 

ギニア大使館に電話で問い合わせれば、出演番組のDVD資料付きでプロフィールを送ってもらえるとかもらえないとか、それはご自身で確かめていただきたい。

 

ちなみに「あ〜、サンコンさんって、朝の番組でワンポイント英会話やってた人よね!!」と思っている方、それはまた違う人である。

 

朝のワインポイント英会話の人の話は、また別の機会に譲ることにするので、あしからず。

 

 

 

クレオールな風にのって―ギニア・ビサウへの旅

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密教とマンダラ (講談社学術文庫)

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月白貉