ぼくと、むじなと、ラフカディオ。

かつて小泉八雲ことパトリック・ラフカディオ・ハーン (Patrick Lafcadio Hearn)が、自らの感覚で古き日本を歩きまわって独自の感性で見聞を広めたように、遠く故郷を離れてあてどなき夢想の旅を続けるぼくが、むじなと、そしてラフカディオと一緒に、見たり聞いたり匂ったり触ったりした、ぼくと、むじなと、ラフカディオの見聞録です。

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焼きそばアイデンティティー - きみぼくめし

小学生の頃、土曜日に学校が午前中で終わって家に帰ってくると、お昼ごはんはたいてい焼きそばだったような気がする。

 

まあもちろん毎回毎回焼きそばだったはずはないけれど、毎回毎回に近いほど焼きそばではあったとぼくの脳ミソには記憶されている。

 

当時、土曜日のお昼には「独占!女の60分」というテレビ番組が放送されていて、

 

ぼくはその番組が観たいがために学校から走って帰って来て、毎回毎回出てくる焼きそばを頬張りながらテレビにかじりついてたのである。

 

女の60分では時々、小学生にとっては過激すぎる放送内容な場合の時もあり、そんな時には母にテレビを消された覚えがある。焼きそばでいっぱいの口を広げて「え〜!」とふてくされる幼き日の自分がそこにはいたであろう。

 

大人になってからは、自宅で焼きそばを作って食べる機会もずいぶん減ったけれど、時々食べたくなるんだよねえ、オーソドックスな焼きそばが。

 

具はキャベツと玉ねぎともやしと豚肉、出来立てに青のりをふりかけて、ジャンクな紅しょうがをチョイと添えるやつである。この日は家に青のりがなかったから、仕方なく刻み海苔でごまかしている。

 

ちなみに子どもの頃、実家でいつも祖母が作ってくれた焼きそばは(うちは両親が共働きだったから食事はいつも祖母が担当だった)ちょっと独特で、

 

焼きそばの具はシンプルにキャベツと玉ねぎだけ、それとは別で豚ひき肉を生姜と砂糖と醤油で炒めた「肉そぼろ」的なものが作ってあり、

 

出来上がった焼きそばに自分の好みでふりかけて食べるというものだった。

 

焼きそば自体にもしっかり味が付いているから、その肉そぼろを加えることでなかなかのパンチ力になるのだけれど、それが病み付きになる味であり、すごく美味しいのだ。自分で焼きそばを作る時には、その手法はあまり使わないのだけれど、普通の焼きそばを食べている時でさえ、あの個性的な焼きそばの味を懐かしく思い出す。

 

そして思い出すのは祖母のこともね、料理ってそういうものじゃなきゃ駄目だ。

 

焼きそばアイデンティティー - きみぼくめし

 

王道のやきそば、具はキャベツと玉ねぎともやしと豚肉、青のりの代用として刻み海苔、着色料バリバリの体に悪そうな紅しょうがを添えて。

 

 

 

ごちそう焼きそば108品

ごちそう焼きそば108品

 

 

 

 

月白貉